Livingroom

□My sweet lover
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そしてカランと刀を手放して、その場にへたりこむ。恐る恐る表情を窺えば―
「…こじゅ……怒る?」なんと、今にも泣き出しそうな顔をしているではないか!!佐助はさっきとは違う意味で焦った。ヤバい、竜を泣かせたなんて右目にバレたら…
「ちょっ、泣かないで、ね!俺様悪いみたいじゃん!?」
「…う……ふぇっ……うわぁぁあん」とうとう泣き出した政宗に慌てふためく佐助。どうする、考えろ自分!右目にバレたら首が飛ぶ(物理的に)だけじゃ済まないぞ!?
「あぁあ、泣かないでよ竜の旦那ぁ!なんで泣くの?」
「…ぅっ……ひぐっ……だって、こじゅが怒るって言うからっ…梵、…こじゅに、優しくして欲しいのにっ…」…幼児返りしちゃってるんですけど…右目の旦那、どういう教育したんだろう。
「あ〜…ごめんね、まさかそんなに傷ついちゃうとは思わなくて…」
「…ふぇっ…こじゅぅ…淋しいよぉ……っ……」
「………」ぽたぽたと一つしかない瞳から涙をこぼす竜。何だかその様子が可愛らしくて、佐助はそっと頭を撫でた。
「よしよし、泣かないんだよ。良い子だからねぇ」あやすように、優しく撫でてやる。政宗が涙に濡れた顔を上げた。
「…さ……すけ……」
「ん?」嫌だったのかと手を引っ込めて表情をみる。
「………もうちょっとだけ……撫でて………?」
「!!」そんな潤んだ目で見ないで欲しいな…と思いながら、再び撫でる。すると、政宗が佐助の手にほお擦りをしてきた。
「猫みたい…」
「……ん…」
「………」
(何か…しばらくこうしてたいな…)その心の声が聞こえたのか、部屋の襖がスパーンと開いた。
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