ラッキーマン
□宝物
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二番目の弟が産まれた。
母のお腹の中にいるときは、どんな赤ちゃんが産まれてくるのかとワクワクした。
一番目の弟の時もドキドキしたが、まだ自分も幼かったのでよく覚えていない。
だけど今度の弟は、自分達と幾つも歳が離れた弟。
友情の時は、まだ勝利には無理だからと抱っこはさせてもらえなかった。
悔しかったけど、頭を撫でたりは許してもらえていたので、そんなこと思わなくなった。
今、自分の腕の中にいる小さな命。
こんなに小さいのにちゃんと生きてて、だけど力を入れれば壊れてしまうのではないかと思うほど脆い。
誰かが守ってあげないと、消えてしまうほど…
勝利は努力と名付けられた弟を落としてしまわないように、細心の注意で小さな命を抱き締めた。
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