ラッキーマン

□雨雨降れ降れ
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雨が止むのを待っている間、ふと昔のことを思い出す。
あれはまだ自分が幼かった頃。
外で遊んでいた努力は、今日のように雨宿りをしていて帰るに帰れなくなってしまっていた。
だんだんと日は暮れて辺りは暗くなり、随分と心細かったのを覚えている。
見知った公園なのだが、知らない場所のようにも見えて、だんだんと不安になってきた時に、長男である勝利が息を切らせて公園に入ってきた。


『努力!!』


大好きな兄の姿を見た瞬間、我慢していたものが一気に溢れて、雨が降っているのなも関わらず努力は勝利に一直線に駆け寄った


『兄ちゃん!!』
『やっぱここだったか』


どうやら兄は、帰りの遅い末弟を心配して探しに来てくれたらしい
随分と走り回ったのか、若干額に汗がにじんでいる。


『雨宿りしてたのか?』
『うん、でも全然止まなくて…ごめんなさい…』


謝る努力に勝利は安心したように笑うと、次からはちゃんと傘を持てと言って手を繋いでくれた。
雨で身体が冷えていたせいか、繋いだ手が温かくて凄く安心したのを覚えている。


『兄ちゃん、ありがとう!!』
『おう、困ったらいつでも俺を呼べって言ってただろ』


兄弟は仲良く手を繋いで、次男の待つ家に帰っていった。











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