ラッキーマン

□振り向け!!
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気付いたのは再会してから。
立派に成長したあいつを見て、心臓が速くなった。
すぐに抱き締めたかったが、世直しマンの宇宙征服やらいろいろあってできなかった。
今はそれも終わり、地球に滞在して人間の生活をしてる。
念願叶って努力とまた一緒に住めるようになった。
まぁ最初は渋ってたが、俺が言いくるめてやった。
目の届く場所に置いときたいからな。
んで、一緒に学校行ったり飯食ったり…
普通の兄弟をしてたけど、もう限界だ。


俺は努力を手にいれたい。


あんまり気が長い方じゃないから、俺の行動はすっげぇ早かったと思う。
あいつの気を引くために好きなもの買ってやったり(でも遠慮されて買えずじまい)
好きなところに連れていったり(でも何故か公園でひたすら一緒に修行してた)
アプローチだってしまくった(でも兄弟のスキンシップと思われてしまった)


あれ?俺、報われてなくね?


この前だって、先公から頼まれたノートの束を持ってたから持ってやろうと思ったら…


『大丈夫です!努力します!!』
『そ…そうか…』


すげぇ眩しい笑顔でそう言われたら、何もできないだろ!?
更に宇宙人との戦いだって、あいつが珍しく押されてたから俺がかっこよく…かっこよく助けてやったのに!!


『す、スミマセン勝利兄さん、私の努力が足らず』
『気にすんな、お前は俺が守ってやるよ』
『いえ!!いつまでも兄さんに甘えるわけにはいきません!!もっと…もっと努力せねばぁぁぁぁ!!』
『努力!?』


俺が止めるのも虚しく、あいつは叫びながらどこかに行ってしまった。
後で聞いてみたが、あのまま特訓の旅に出たらしい。

ああそういえば、特訓の旅に何故か強制連行された洋一には、俺が影で仕置きしておいた。
俺の努力と二人きりとか、まじ何様?

どんなに俺が分かりやすくアプローチしても、全く気付かない。
ことごとくフラグをへし折ってくれる。
最近報われなさすぎて、友情が同情の視線を投げてきやがる。
取り敢えず殴っておいた。
俺は悪くない。

うん、悪くない…












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