混合

□Wenn
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教皇宮にある書斎には、様々な書物が保管されている。
長く続く聖域に相応しく、中には貴重な文献も沢山収められていた。
故に、利用するさいには教皇の許可が必要となってくる。
ただ一人だけ、教皇の許可を必要としない人物がいた。
聖域の女神、アテナその人である。
アテナはその日、必要な文献を自ら探していた。
あまりに古いもので、おそらく奥のさらに奥にある棚に収納されているのだろうとふんだ彼女は、埃を被った棚を一つ一つ丁寧に探していく。
そこでふと、ある一冊の本に目が止まった。


「あら、こんなのあったかしら」


古めかしく、手に取るとずっしりと重いそれには、『Zaubarbuch』と書かれている。
どういうわけか興味を引かれ、アテナはその書物を持って教皇宮のオフィスに戻ることにした。










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