Gガンダム

□桜吹雪
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春の気配が色濃くなった頃。
ランニングをしていたら、ひらりとピンクの花弁が目の前に現れた。
誘われるように顔を上げれば、満開の桜。
その存在感に目を奪われて、ドモンはランニングコースを変えて桜の木がある丘に足を向けた。
丘の上に一本だけある桜の木。
一本だけだがその存在感は周りの景色を霞ませる。
だがこんなに立派な桜だというのに、人気は全くなくドモン以外の気配は無かった。
ふらふらと、桜に圧倒されながら近付くと、まるでドモンを待っていたかのように緩やかな風が吹き、風に花弁が拐われてドモンの頭上に舞い降りた。
思わず感嘆の溜め息が溢れる。


「すげぇ…」


呟いた言葉は誰に届く事もなく、空気中に溶けて消えた。











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