四、駄文A
□1日の始まり、1日の終わり。
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『今日はクラスの子たちと放課後カラオケに行って相当遊んできちゃいました!』
それだけ書いて送信した。
この時間だけが、私が私でいられる気がした。だが、書いてることは全て嘘。相手に顔が見えないというのはとても都合が良い。
しばらくして先刻の返事が返ってきた。
『楽しそうだね。僕は大会のために練習してるよ。毎日毎日疲れる…ι』
『“野良猫”さんみたいな運動できる人って良いな…』
『“マイカ”さんだっていつも友だちと一緒で羨ましいですよ。』
〉羨ましい?
自分が嘘八百を並べているのに自嘲した。
〉それを言うなら、私よりあんたの方が…
出鱈目だらけの自分よりよっぽど生きた人だと思う。