ワンピース短編

□興味なし
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「…興味ねェ」

バッサリと言われ落ち込む私にペンギンが頭を撫でてくれる

今日は12月25日クリスマス
世の中が浮かれても仕方無い日
去年はやらなかったから今年こそベポとやりたいねって計画を立てていたのに……!

「なんでですか、キャプテン!」

涙目で食い下がる私にキャプテンは冷やかな瞳を向ける

「うるせェ…」

曇色の瞳が鋭く光る
一瞬怯んだ私から視線を反らすと

「追い出せ」

ペンギンに私を出すよう指示を出した
ペンギンは頷くと私の手を引き、部屋の外へと連れ出す

「…なんでわざわざ許可を貰いに来たんだ?」

廊下へ出るとペンギンが不思議そうに尋ねた
まぁ無理もない
いつもどんな時でも宴や祝い事をするときはキャプテンの許可なんて取っていないのだから

「……だって、せっかくのクリスマスでしょ?キャプテンにも楽しんで貰いたいし。…それに、」

ずっと持っていた袋の中身を取り出してペンギンに見せる

「…これ、去年のクリスマス前に買ったんだけど着ないと勿体無いじゃん!」

ひらりと私の身体に当てたそれはミニスカートのサンタの衣装

「…船長は知っているのか?」

「うん!キャプテンの目の前で着て見せたもん」

去年のクリスマスの時、許可を貰おうと着て行った所、見苦しいから着るなって言われて着替えさせられたのだ


「………なるほどな」

納得したのかペンギンが数回頷く
それに首を傾げると

「おれも船長と同じ意見だ。…クリスマスはやらない方がいい」

優しく笑って頭を撫でてくれるペンギンに私の口はへの字に曲がる

「だってね、ペンギン…あの…」

みんなへのプレゼントはもう用意してある
キャプテンへのもだ
せっかく用意したのに渡さないのも勿体無い

するとペンギンは小さく笑った
それから

「…あァ、分かってる。あいつらのはおれが引き受けよう。お前は船長に渡して来い」

私の肩を軽く叩く

「…うん!ありがとうペンギン!」

ペンギンへにっこり笑うと自室へ駆け出した





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