猛獣使いと王子様
□シルビオ...U
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「シルビオ・・・・?」
ドアの取っ手をゆっくり傾け、中をそっと覗く。
・・・――わわっ?!
けどすぐにバッと顔を俯かせた。
シルビオは体の汗を拭っていたのだ。
そのため上半身は裸だった。
「ティアナ??・・・・いらっしゃい」
私に気付いたのか、熱っぽい視線で見つめながら微笑む。
なんだか自分だけ意識してるのが恥ずかしくなって、思いきって近づく。
「風邪・・・大丈夫??」
「ん、平気。寝てれば治るだろ」
ぶっきらぼうにそう言い捨てて、再び体を拭き始める。
「・・・・貸して、私が拭いてあげる」
「は?・・・いいって、自分でできるし」
「病人は言うことを聞くのっ」
シルビオからタオルを奪い取り、「ほら、後ろ向いて」と声を掛ける。
私はシルビオの後ろに回り、ベットに座り込む。
そして丁寧に背中を拭いていく。
・・・・自分から言っておいて、すごい・・・緊張する。
やっぱり・・・男の子の体なんだよなぁ。
そう思いながらぼーっとしていると・・・・
「あんま見るなよ・・・減るから」
「へ、減るってなによ?!」
「冗談だって」
・・・・冗談って・・!頬を膨らませていると彼は悪戯っぽく微笑むだけ。
けど、そんな所も好き・・・・。
*
「ハイ、終わったよ」
「ん、ありがとな」
いいながら服のボタンを留めていく。
私はその様子を見ながら、薬を棚の上に置く。
「ココに薬置いとくね」
そう言って振り向いた瞬間・・・――