創作世界

□ハイクロ! 夏休み公開放送
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「”・・・王都ラクナーベルは現時刻午後6時半!
 『ハイクロ!』、これより公開放送始まりまーす!”」


南方大陸屈指の強国、アルヴェイトの首都であり王都のラクナーベル
城下町の主要施設の一角にて、ラジオの公開放送が始まった

広い空間の奥にそこそこ広いステージの台があり、
その前にはいくつもの椅子が綺麗に並んで、
年齢層の若いギャラリー達が座り、ステージを見上げて拍手を送る

ステージの上は横長のテーブルの前に、椅子が2つほど並び、
真正面からステージを見て、向かって右側にMCの少女が
マイクのついたヘッドホンを頭に掛けて喋ってる


「”MCは私、高校1年 ミキ・クロシェットです。
 今日はどうかよろしくお願いします!”」


ミキは笑いながらギャラリー達に大きめに手を振った
椅子はほぼ満席で、椅子に座らず立って聞いている人も何人も居る


「”さてさて、今回はアルヴェイトの王都、
 ラクナーベルにお邪魔しています!
 正直・・・久々の公開放送で私、今ガッチガチに緊張してます
 だって噛んでも修正が効かない! しかもほぼ世界放送!”」


ミキの笑い混じりの話に、観客達がどっと笑う


「”とはいえ公開放送も8月。 ほとんどの学校は夏休み期間だし
 仕事もお休みを貰って、遠くから来てくださった方も居るかな?
 我こそは遠方組! という方、挙手どうぞ!”」


ミキの声に席を座ってる人から、立っている人から
15人前後が控えめに手を上げる


「”おぉー、結構居ますね。 ざっと15人くらいかな?
 えーと、それじゃそこの女の子!”」


ステージから手で指された中学生1、2年くらいの
女の子がきょろきょろと辺りを見渡す


「”手を上げてくれた白いタートルネックの・・
 そうそう! 君です! どこから来ました?”」


女の子のそばに、スタッフがマイクを持って近づく
口元にマイク渡された女の子が、立ち上がっておずおずと口を開く


「フリジエから来ました」
「”おぉー、フリジエ! ・・フリジエですか!?”」


ミキが笑いながら復唱する

答えた女の子は椅子に座り、女の子にマイクを持っていった
スタッフはステージの後ろに引っ込んだようだ


「”フリジエっていうと東方大陸にある、桜で有名な場所ですね。
 一度満開時期に行ったことがあるんですが、
 そりゃーもう一面綺麗なピンクで絶景! 一度見に行ってほしい!
 あ、せっかくですから満開時期に向かうことをお勧めします!
 ここまで長旅お疲れ様でした。 お答えありがとう”」


ミキは女の子に手を振って、女の子はミキへと小さく会釈した

会場を見渡しながら
「せっかくですから、もう1人くらい当てたいですねぇ」
と、笑うミキに観客達が笑う


「”それではフリジエより遠くから来たという方、
 居ましたら挙手どうぞ!”」


今度は範囲を狭めたからか、挙手は半分くらいに減った。


「”おぉ、半分くらいに減ったけど 予想よりは意外と居ますね
 では一番後ろで立ってるお兄さん! どこから来られました?”」


ミキの声に、片手をズボンのポケットに突っ込んだ男性のとこまで
スタッフがマイクを持って小走りで近づく

スタッフの構えたマイクの位置が低かったのか、
男性はちょっと前屈みでマイクに口を寄せる


「ほとんど裏側から来ましたね」
「”裏側!! これは一番遠いとこ出たかな!?
 ここから裏側っていうとちょうど北方大陸の方ですね
 1年で数えたら雪降ってる日の方が多い場所もあると聞きますが
 北の方には私、降り立ったことがないので
 仕事で行ける時が来るの待ってたり・・します!”」


笑いながら語ったミキに、観客がまた少し笑う


「”裏から長旅お疲れ様です! 王都で旅疲れ癒してくださいね。
 お答えありがとうございます!”」


ステージ上で会釈をしたミキに、男性もまた小さく会釈を返した
仕切り直すように、少しだけ息を吸い顔を上げるミキ


「”さて! 今回は公開放送ということで
 今日はゲストをお呼びしております!
 けどそれはまだ内緒ー もう少し待っててください!”」


人差し指を口元に当て、悪戯っぽく笑うミキは
ヘッドセットのマイクの位置を調整してからまた口を開いた


「”ではでは、いつものお便りコーナー行きましょー!
 タブレットの接続環境がある方はリアルタイムでこちらに届くので
 送信してくださったら今この場で読み上げるかも・・!?
 メッセージ送信はラジオ局イリストーラオ、
 『ハイクロ!』公開放送、MCミキ宛てにお願いします!”」


ミキはテーブルの上に置いていたらしいタブレットを、
タブレット置きに置いて、画面を数度叩いた


「”それでは最初のお便り! ペンネーム、リツさん!

 ミキさんこんばんは。 こんばんは!
 いつも放送楽しみにしています。 ありがとうございます!

 友人から聞いた話なのですが、友人の妹が先月誕生日だったそうで
 14歳になるのに、ろうそくをケーキに15本立ててしまったそうです

 あらら! 年齢飛び級ですね

 危うく15歳になるところだったと、
 妹さんは腹抱えて笑い転げていたと聞きました。
 ミキさんは、そんな誕生日に関係するお話はありますか?

 ・・とのことです! いやー、それは流石に笑いますね!
 兄弟の年齢が縮まってしまうのはもう大問題ですね
 私は1人っ子ですけど”」


笑いながらタブレットと観客席の方を交互に見るミキ


「”誕生日に関係する話ですかぁ。 あっ、リ周知かもしれませんが
 私チョコが大好きでよく食べるんですけどね。

 誕生日に『チョコレートケーキを食べたい』と母に言ったら
 チョコの食べすぎだという理由で断られたんですよね

 いやいや、しかし私も誕生日にチョコケーキは譲れない。
 チョコの頻度落とすからとか、記念日なんだからとか交渉に交渉を重ねて
 どうにか母を口説き落として、チョコケーキにありついたことがあります。

 友達には誕生日前に何やってんだーって笑われちゃいました
 恐らく今年も似たようなやり取りすると思われます”」


ミキは笑いながら、話ながらタブレットを操作する


「”さて、そんなお友達の愉快な妹さんの話をしてくださった
 リツさんのリクエスト曲は『カンゴーム』!

 10年くらい前の懐メロをよくリクエストされるからか、
 つい新しい曲かな? と錯覚しちゃいますね。
 この曲ももう数年前なんですね、時が立つのは早いです
 ではでは! カンゴーム、どうぞ!”」





ハイクロ! MCミキ 公開放送



(さて、そろそろゲスト登場と行きましょうか?
 どうぞー! いらしてくださーい!)
(はいはーい! こんばんはー!)

(長らくお待たせしました。 スペシャルゲストは
 デザートレポートブロガーで有名なリナさんです!
 私の放送でも何度も名前が出てくるので、ご存知の方は
 多いかと思いますが、リナさん本人が出てくるのは初めてですね)

(基本的に顔は出さないからねぇ
 ブロガーがなんでラジオのゲストなの!? って、テンパって
 ミキに一心不乱に問い詰めまくった時は申し訳なかった(笑))

(同い年だし、話題もあるし、視聴者様に馴染みがあると
 思ったらしいんですよね、上が。 あっ、言っちゃった(笑))
((笑) うん、上がね(笑))

(因みにリナさんとは今年で・・・何年目?)
(小4からだから、5、6・・・6年目?)
(6年目か。 リナさんとは結構長い付き合いですね)

(え、てかあたしどうすればいい?
 トークとかやったことないんだけど 初トークデビューだよ)
(そこは私がリードするので適当に・・・適当に)
(えぇー! 頼むね!?)

(が、頑張ります(震え声) さて、リナさん登場ということで
 リナさんへの質問やメッセージも範囲拡大して受け付けます!
 タブレット環境のある方は、ラジオ局イリストーラオ
 『ハイクロ!』公開放送、MCミキ宛てまで!
 事前情報で知り、送ってくれた方々ありがとうございました!)






創作世界(仮)ではこれが第一作だった。

ミキ・クロシェット
  人生初の一次創作主人公だった。 日本名は鈴乃美紀。
  学校では放送委員。 校内放送の定型文を半分くらい読まない。

桜の街フリジエから来た中学生の女の子
  中1のマイ・スピアージ。 不思議能力持ち。
  元々は現代に住んでるキャラだった。

会場の後ろに居た男性
  ヴィオラ・グアルティエ。 メーゼの兄。
  因みに27歳でメーゼとは学年4つ違う。

ラジオ局イリストーラオ
  ミキの所属する西方のラジオ局。
  ミキの放送番組は『ハイクロ!』 MCはミキ含め3名ほど

ペンネーム・リツ
  ツカリ・グローザ。 1日1絵で傘少女と呼ばれていた人
  実はミキと同じ高校に通っている。 特戦科生徒。

誕生日にろうそく立てすぎた話
  私の実話。 14歳になった時、15本のろうそくを立てました。
  ろうそく入ってたから数えず全部刺した。 15本だった

母を口説き落として誕生日にチョコケーキ
  2014年の私の誕生日の話(真顔)

リクエスト曲、カンゴーム
  某漫画の二次創作の某動画パロをした時に考えた曲
  矛盾が生じた世界で、守護の天使と規律の天使が対立する話





 

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