Starry☆Sky

□もしも夏組が脱出ゲームをしたら。
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木ノ瀬  
翼。
何?
ここ。

天羽  
いいからいいから〜。
早く来るのだ〜。

金久保  
なんだか嫌な予感がするんだけど…。

宮地  
天羽。あんまり面倒なことには巻き込まないでくれよ?
大会が近いんだ。

天羽  
大丈夫大丈夫。
ほら見て!

じゃじやーん!!
これは俺が作ったストレス解消マシーン脱出君水の部屋バージョンだぞ!!

宮地   で
…。でかい。

木ノ瀬  
あのさ翼。
こんな見るからに危ない物に誰が入ると思うの?

金久保  
そ。そうだね。
これはちょっと危険な香りがするよね。

天羽  
みんなひどいのだ〜。
ぬいぬいから、弓道部のみんなは練習が大変で疲れてるから、息抜きが必要だって聞いてわざわざ作ったのに〜。

金久保  
え?
わざわざ僕たちのためにこれを作ったの?

天羽  
そうなのだ。

宮地  
それは…すごいな。

金久保  
天羽くんはそこまで僕たちの事考えてくれていたんだね?

天羽  
梓の友達は俺にとっても大切だからな。

木ノ瀬  
翼…。

金久保  
そっか。
ねぇ。
何だかちょっと怪しい気もするけど…。
今回は天羽君にお世話になってみない??
せっかくの好意を無駄にはできないし。

宮地  
そうですね。
少しだけならいいかもしれないですね。

木ノ瀬  
翼…。
今回だけだからね。

天羽  
了解なのだ!!
じゃあ中に入って入って〜。


天羽
じゃあ。
俺はこれで。
頑張ってぬーん。


バタン。
ガシャ。


金久保  
あ。
ドアの鍵。
閉まったんじゃない?

宮地  
本当だ。
開かなくなっている。

木ノ瀬  
ちょっと翼!!
どうなってんのさ。
早く開けないと怒るよ。


部屋のモニターに翼が映し出される。


天羽  
やだぬーん。
これからみんなにそこから脱出してもらうんだぬーん。

木ノ瀬  
ったく意味の分からないことを…。
これじゃあストレス解消どころか…。
こっちのほうがストレスだよ。

宮地  
同感だ。

金久保  
でも、本当に困ったね。
どうしたら出られるの?

天羽  
そこにある袋の中にお題か入ってるからそれを解いて次の鍵を取るのだ!!
二問正解でクリアだぞ。
じゃあ頑張ってぬーん。
ポチッとな。


放水を開始します。


宮地  
うわ。
水が部屋に…。

金久保  
閉じ込められた上に水まで…。

木ノ瀬  
はぁ…。
呆れてる場合じゃないってことですね。

金久保  
そうだね。
何とかして脱出しないと。
力を合わせて頑張るしかないね。

宮地  
これがその袋だな。


宮地
ん?
中に紙が…。
何?
あいつを喜ばせられるデートを考えなさい?
何だこれは。

木ノ瀬  
どうなってるの?
これ。

天羽  
ふはは。
この間チビ先生たちがやってた脱出ゲームの問題を参考にしたのだ!
な?書記??

木ノ瀬  
先輩!!
来てたんですか?

金久保  
君も呼ばれたの?

宮地  
お前まで…。
お前もこの計画に参加していたのか??

宮地  
ん?
お前も巻き込まれた?
そうか。
…悪かったな。
疑って。

金久保  
でも、彼女が来たってことは…絶対に脱出しなくちゃいけなくなっちゃったね。
彼女にかっこ悪いところは見せられないものね。

宮地  
そうですね。

木ノ瀬  
宮地先輩も先輩にかっこ悪いところ見せられないんですね?

宮地  
む。
それは…。
お。男なら誰でもかっこ悪いところは見せられないだろう。

木ノ瀬  
どうかな〜?
先輩にだけはみせられないんじゃなくてですか?

宮地  
木ノ瀬。
おまえはこんな状況になってまでそんなことを…。

金久保  
はいはい。
2人ともそこまでにしようね。
意外と水の勢いが強いからすぐにこの部屋いっぱいになっちゃうよ。

宮地  
すみません。

木ノ瀬  
はーい。
じゃ。僕から行きますね。

そうだな。
僕なら先輩を星空と夜景が見える展望台レストランにお連れします。
先輩の好きな星とそれを鏡に映したような夜景。
美味しい料理となれば、先輩が喜ぶ事間違いなしです。
ね?
先輩?
星空と夜景に見惚れる先輩も可愛いんだろうな…。
でも何だか…そうしたら僕は星と夜景に嫉妬しそうですよ。
先輩の視線はいつも僕が独占したい。

宮地  
そこまでだ。
木ノ瀬。
おまえはそういう歯の浮くようなセリフを次から次と。
勝手にあいつを口説くな。

木ノ瀬  
先輩を口説くのは僕の自由じゃありませんか。
それにこれはゲームですよ?
先輩に気に入って貰えなかったら三人で溺れることになりますからね。

宮地  
な。
あいつを口説くのはお前の自由ではない。
あいつの気持ちが問題で…。

金久保  
はいはい。
喧嘩は後でね?
時間無くなっちゃうよ。

宮地  
すみません。

金久保  
木ノ瀬君も。
彼女顔真っ赤にしちゃってるから…。
やめてあげてね?

木ノ瀬  
はーい。
以後気をつけます。

金久保  
それじゃあ宮地くん。
次行ってみようか。

宮地  
はい。
それでは。

俺なら…ケーキ屋巡りがいいと思う。
俺が美味しい洋菓子屋や甘味処をくまなく案内してやる。
ケーキやあんみつ、和菓子にクッキー。
何でも聞いてくれ。
全部教えてやるよ。
何だったら朝から晩まで食べ歩きでも…

金久保  
宮地君ちょっと待って。

木ノ瀬  
宮地先輩…。
それ以上続けたら胃もたれします…。

宮地  
む?
そうか?
とても魅力的な計画だと思が。
食べ歩きがダメなら家でゆっくり食べ比べをしても…。

木ノ瀬  
ちょーっと待った。
そういう問題じゃないんですよ。

金久保   
そ。そうだね。
じゃあ。
そろそろ僕が行こうかな?

僕だったら。
君を別荘に連れて行こうかな。
ほら。
前に弓道部で行ったことがあったでしょう?
あそこでゆっくりと、僕たちだけの時間を過ごすんだ。
前に行った時には行かなかった、絶好の天体観測スポットがあるんだ。
そこなら夜中星を観察できると思うよ。
誰にも邪魔されずに。
何なら僕の占星術の解説もつけようかな。
君が知りたいこと、何でも教えてあげるよ。


ピンポーン


金久保  
あ。
正解したんだね。
ふふ。
よかった。
もう。腰まで水に浸かってきたからね。
早く正解しないとと思ってたんだ。
それじゃあ。
今度一緒に行こうね。

木ノ瀬  
ちょーっと待った。
金久保先輩。
これはただのクイズみたいなものですから。
実際に行かなくてもいいんですよ。

宮地  
そ。そうです。
だいたい一晩中男と女が一緒になんて…。

金久保  
なんて。
何かな??
何かまずいことあるのかな?
僕は純粋に彼女と一緒に星が見たいだけなんだけど。

宮地  
い。いえ。
何でもありません。

木ノ瀬  
ゴホン。
もう水位も上がってきたので次に移りましょう。
この鍵で箱を開ければいいんですね。
僕、とってきます。

金久保  
木ノ瀬君大丈夫?

木ノ瀬  
大丈夫ですよ。
授業でいつも潜水させられてますからね。
じゃ。
ちょっと行ってきます。
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