進撃の兵長

□許されぬ恋と知りながら
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明かりもつけずに、暗い兵長の部屋の中を探し回る。
機密文書…。
ある人物の命で調査兵団にスパイとして送り込まれ、やっと、この場に入れるところにまでやってきた。
ただでさえ生存率の低いこの職場…。
苦労は絶えなかった…。

…と、突然部屋の電気がつく。
振り返ると、出入り口に壁に寄りかかっている兵長が…。

「ほぅ…。コソコソ嗅ぎ回ってる奴が居ると思ったら…。お前だったか。」

兵長はゆっくりとこっちに歩み寄ってくる…。
私は覚悟を決め、ギュっと手を握りしめる…。
すると、兵長は私との間合いを一気に詰めたかと思うと私の腕を力強く引き…。
顎を掴むと、強引にキスをされる。

舌が私の唇を割って入り、口内を弄る…。
くちゅくちゅと…音だけが部屋に響く…。
あまりの出来事に、私は膝から崩れそうになるのを、兵長の強い力で引き起こされ、私の脚の間に兵長が脚を入れてきて、私の体を支える。
意識が飛びそうになるのに耐えていると…ようやく唇が離れる…。

兵長は舌先にカプセルを取り出した。
それは私が失敗したときのために口内に仕込んだ自殺用の薬。

「これから色々聞くことがあるからな…。死なれちゃ困る。」

キスで腰砕けになった私を見下ろして、カプセルを床に落とし、踏みつけて壊す。

情報を得るためとはいえ、この数ヶ月、兵長のことばかり考えて生活してきた。
完全無欠と言われる兵長の人間らしさに触れて、惹かれている自分がいることを感じながら…自らに課せられた命に忠実にしなければならないと言い聞かせてきたが、激しいキスに、自らの気持ちを制御できず、頬を涙が伝った…。

「誰の命令だ。」

私は計画が露呈した絶望感と、兵長の熱い口づけによる脱力で、床にへたり込み、力を失った声でなんとか答える。

「言えるわけ…ない。」

「そうか…。」

と、眈々とした声で兵長は答えた。

すると、兵長は床にへたり込んだ私の腕を掴んでソファーに投げるように移動させる。
兵長はソファーに横たわった私に馬乗りになり、自らのスカーフで私の腕の自由を奪うと、私の頬に触れ、顔を近づけてきて…。

「ならば…身体に直接聞くか。」

と、見下ろす。
私は恥ずかしさのあまり、顔を背けようとするが、直ぐにアゴを掴まれて戻されてしまう。

「お前は俺を裏切ったんだからな…。ただで済むとは思うなよ。」

兵長の鋭い視線で私は身動きができない…。
そのうちに…兵長の指が私の首筋を伝う…。
その指は鎖骨に移動し…。
胸元のボタンに手がかけられる…。

「いたぶっていたぶって…。後悔させてやる…。俺を裏切ったことをな…。」

ボタンは外され、下着がちらつく…。
鎖骨を甘噛みされると、私の体はピクリと敏感に反応する。

「いい反応をする。嬲りがいがあるな。」

兵長の手はするりと私の腰の後ろに回され…。
程なく、兵長は私の目に前に小刀をちらつかせる。

「こんなもんも隠してるとはな…。怖い女だ。俺を殺すのか?」

私は首を精一杯横に振る。

「そうだろうな。お前は俺に惚れている。」

兵長は首を振る私の頬にピタリと小刀の脇を押し当て、私の顔の自由までも奪う。
冷たい感触が気持ち悪い。

私が否定出来ずに言葉に詰まっていると、

「お前の気持ちなど、とうに知っていた。知っていてなお…。お前をそばに置いた。」

「さすがの俺も、対象に恋愛感情を抱くような間抜けなスパイを送られるなんて思って無かったからな…。お前には…気を許し過ぎた。」

兵長は小刀で私の肌に密着している下着をすくい上げると、その小刀で下着を切った。
肌が全て露わになる。
兵長の顔がゆっくりと胸元に近づき、キスが落とされる…。
私の体は緊張のあまり強張り、小刻みに震えていた。

「怖いか?」

私が答えられず目に涙を浮かべると、兵長は再び眈々と、

「怖がれよ。もっと…もっと……。」

言葉とは裏腹に、私の肌の上を兵長の指が優しく這っていく。

「裏切り者には制裁を…。お前をじっくり壊してやるから…。」

兵長に私の敏感な部分を吸い上げられると、私の体が弓なりに跳ね上がる。
兵長からの愛撫を受けるたびに、私の体温は上昇し、漏れそうになる声を必死で我慢する。

「まさか…お前に裏切られるなんてな…。信じた俺が馬鹿なのか?」

触れられた場所にはしびれるような感覚と、それと同時に心地よい体温が伝わってくる。
その快感に溺れかけているところで、兵長がピタリと手を止める…。

「あっ…。」

思わず声が出てしまった。

「何か言いたさげだな。」

私がなんとか自分の心を隠そうと激しく首を振るが…。

「ほう…。そうか…。じゃあ…。」

兵長の手が私の下腹部を弄る…。
私の目の前に差し出された指先は、しっとりと濡れていた…。

「これは何だ…。」

「嫌…??そうじゃないだろ。」

兵長の指は私の制止も聞かず、私の中を掻き回す。
クチュクチュと…卑猥な音が響き…声にならない声が出る。

「いい声で鳴く…。そんな声出しててもなお、お前は嫌だと言うのか??」

「体は正直だぞ?ほら…。誰の差し金だ?言えば楽にしてやってもいい。」

体は再び震え出す。
わたしの体が、心が、欲求と使命の間で葛藤する。
そうしている間にも、断続的な愛撫を受け続け…。
意識が遠のきそうな快感を受けたかと思うと、突然止められてしまう。

「随分と苦しそうだな。でもまだだ…。存分に苦しめ…。もっともっと…快感と苦痛で歪むお前が見たい…。俺を裏切ったことを後悔しろ。」

触れられ、舐められ、かき回され、刺激され…。
極限を迎える直前で止められる。
兵長は苦しそうな私の姿を見て、口元に笑みを浮かべながら愛撫を続ける。
いっそ、意識を手放してしまいたいが、それを許してはもらえない。
朦朧とし始めたわたしの意識は、限界など既に超えていた。
私の口からついに…ある人物の名前が出る。

「よし…いい子だ…。」

兵長は私の頭を撫でると、意外にも、優しく快感へと導いてくれる。

やっと解放されたわたしの体は、疲労感と達成感で、ぐったりしていた。

「楽になったか??」

いつの間にか涙が溢れる。
しかし兵長は、そんな私をよそに、再び口づけを始める。
絶頂を迎えたばかりの私の体は、次の刺激に対して敏感で、とても、兵長の愛撫を受けてまともでいられる状態ではない。
私が兵長の体を押しやると、

「お前は俺にこのままお預けさせるつもりか?俺は今更もう引き返せねぇ…。お前が可愛すぎるのが悪い。」

今までとは違う…。
甘くて切ないキスが落とされる。
私に裏切られて傷ついた心を救ってほしいと懇願するような…。
兵長のそんな思いが伝わってくる…深い深いキス…。
兵長はそんなこと、少しも言ってないけど…。
触れられて知る兵長の気持ち…。
こんなキスされたら…受け入れざるを得ない…。

「最後まで抱かせろ。お前は喘いでだけいればいい。答えははいしか認めない。」
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