進撃の兵長

□信じる道は
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「左翼前進!敵前方へ展開!!」
「ちっ…遅い…………。」
「第二陣!左翼に合流しつつ敵の視野を撹乱しろ!!」
「右翼はその場に待機!急所への攻撃のタイミングを見逃すな!!」


俺は屋根の上にお前の姿を見る。


ここは壁外にある旧集落…。
新たな拠点検索の際、俺たちは巨人と遭遇した。

お前の声が集落全体に響きわたり、10メートル級1体を相手に、部隊を展開させている。


これがお前の3度目の壁外調査。


俺の補佐官となったお前の部隊指揮は、3度目であることが信じられないほどに的確で…。

最小限の犠牲で、最大限の効果を得ている。



これがこいつの天性の才能……。


こいつの部隊指揮は出会った時から間近で見てきたが…
いつ見ても狂いがない。


見惚れるほど鮮やかだ。


俺がじっと見つめている事など知りもせず、お前は部隊指揮に没頭している……。


ったく…いい顔しやがって……。


このまま行けば、間も無く片がつくだろう。

今回も俺の出番はなさそうだ…。


俺はお前の鮮やかな手腕を真横で見つめ、その日の調査を終了した。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





調査を終えて帰還する…。


「今回は大分戻ってきたな?」

「見ろ!!リヴァイ兵士長だぞ!!」

「息子は…息子は戻ってきたか??」


門をくぐると同時に、老若男女、くだらねぇ民衆の声があちらこちらから聞こえてくる。


しかし…。
そんなくだらねぇことが、気にもならねぇほどに、俺の機嫌はすこぶる良好だ。

今回の壁外調査の生存率も、歴代最高記録を更新したからだ。

調査内容もまずまずといったところ…。


お前を俺の補佐官にしてからというもの、壁外調査の成功率は格段に伸びた。


この成果が、お前の手腕によるものであることは明確だ。


団内のお前に対する信頼度も急激に伸びてきている。


俺は俺の隣で馬を進ませているお前に目を遣るが…。

お前は…俺の視線になど気にもかけていない。


俺に対する遠慮のない態度。
その技術に支えられた自信にあふれた言動。
弱みを見せまいと気丈に振る舞うその仕草…。


どれを取っても、今までの女とは違う……。


夕日に照らされたお前とその横顔が俺の視線を釘付けにする…。




するとその時………。




お前が何かを見つけたような表情をした。


お前はただひたすら一点をだけを見つめ続けている。



………お前は群衆の中に何を発見したのか。



俺はその視線を辿ろうと試みるが、その視線が行き着く先はわからない。


俺が、お前に視線を戻すと…
お前は俺の後方で歩みを止めている。



お前がそこで見たものが何だったのか…。


俺はもっと……………


気にすべきだったのかもしれない。
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