小説置場

□SorM
1ページ/1ページ


「おぉ〜大輝また上手くなったな!」

「だろ〜!…にしても似合うよな、裕貴って」

「うん!素晴らしいよ、ほんと!」

「こんなにも似合う奴は他にいないんじゃないの?」

「…あのさぁ。それ言われてもぜんっぜん嬉しくないからな!」


またやってるよ…。
最近、うちのクラスの男子たちがハマっていること。…それはロープを使って人を縛ること。

前まではいろんな人を縛っていたんだけど、いつの間にか裕貴だけが縛られるようになった。

理由はまぁ…似合うから。

前にやった時、他の奴と比べものにならないくらい似合っていて…。それからずっとだ。毎日のように縛られてるんじゃないかな?


まぁ縛られていることに関してはいいんだけど。


…僕には不安がある。

裕貴は縛られるときに全くと言っていいほど抵抗しない。周りから「似合う」なんて言われたときには嫌そうな顔をするけど…。

それ以外は何とも思っていないかのように抵抗しない。


どうして?


裕貴は僕と2人きりになると、結構Sっぽくなる。でも今の様子を見てると……。

もしかして本当はMなのかな?

僕の前では何か事情があってSになってるとか…?


裕貴がわからない。

いや、正確に言うと裕貴の「属性」がわからない。


僕の前とみんなの前、どっちが本当の裕貴なのかな?



あぁ、神様が本当にいるのなら教えてください。
どれが本当の裕貴なんですか?



Fin
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ