小説置場
□借り物競走
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突然だけど、俺と裕貴は付き合ってる。2人とも男だけど、そんなの関係ない。俺が好きになったんだからそれでいい。性別なんてくだらないものは気にしない。
俺たちは今まで関わりがなかったけど、生徒会役員ってことで一緒にいる時間が長くなって好きになった。
最初は面倒だった生徒会の仕事も今じゃ楽しくてしょうがない。…裕貴と一緒に入れるから。
今は体育祭が近いから、競技についての話し合いをしている。俺たちの学校は面倒なことに生徒会から1つ競技を出さないといけない。
「なんかねぇかな〜」
「ってかなんでこんなことしなくちゃいけないんだよ」
みんな文句ばっかり。
まぁ俺もそう思っているうちの1人だけど。
「みんな頑張って考えようよ」
言い忘れたけど、裕貴は会長で俺は副会長。
まぁ選挙なんて人気投票みたいなもんだから、この結果は当たり前なんだけどな。
「会長〜、頑張っても思いつきませんよ〜」
「そうそう、競技なんてそう簡単に思いつきませんよ〜」
「まぁ、そうだよねw…大輝、どうしよう」
「そうだなぁ〜」
俺に助けを求められてもなぁ…。
裕貴が何かしてくれるってんなら考えるけどなぁ…。
「あっ!!」
「なに?何か思いついた?」
「借り物競走…とか?」
「おぉ〜!!それは楽しそう!!さすが副会長」
なんでこれが思いついたかはわかんねぇけど、とりあえず話し合いが進んだからいっか。
「あとは借りるものを考えないと…」
「それって物限定ですか?」
「あぁ〜…。人でもいいのかな」
「この学校の人ならいいんじゃね」
「じゃあ…会長とか?」
一瞬、本当に一瞬だけど、空気が変わった。
裕貴を借りる…すなわち、俺から奪おうというわけだ。上等じゃねぇか。絶対に渡しはしねぇ。
その後も順調に話し合いは進み、ついに体育祭当日が来た。