小説置場
□ファイルで叩かれると痛いです
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「裕太はかわいいなぁ」
みんなそう言いながら僕の頭をファイルで叩く。
「痛いからやめてよぉ」
そうなのだ。みんな軽くやってるつもりだけど意外と痛い。ファイルだからって人の頭を叩いているのもおかしいけど。
「全然痛そうには見えないけどね」
「そうだよ!…磯部はやらないの?」
「俺?俺もやってるよ」
裕貴はそう言いながら僕の頭をファイルで軽く叩いた。本当に軽くだから全然痛くなかった。
こういう時、周りに全然合わせないで優しくしてくれる。そこが結構好きだったりする。
だって僕にだけ優しくしてくれるのって、ちゃんと僕のことを好きだってことでしょ?
まぁこれは僕の心の中に置いておくだけだけど。
こんなことを言ったら裕貴はすぐに調子に乗っちゃうもん。
だから僕は本当の気持ちを隠しておく
Fin