□序章
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春が来た…が、正直どうでもいい。

花粉が飛び交うだけの季節なんていっそ消えてしまえ。

夢見がちだった幼少期と違い、花なんてどうでもいいと本気で思う。

舞い散る桜の花びらでさえ、花粉の元凶だと思えば憎たらしい。


希望・夢・始まり。

そんなもの期待もしていない。


絶望・現実・終わり。

そんなものを望むほど、倒錯的でもなければ破滅思考でもない。


全ては曖昧なまま。

今までもそうだしこれからもそうだ。

変化なんて来なくてもいい。

このままで全てが終わるまで立ち尽くしていたい。




このままでいい。


本当に…このままで。



そう思っていた。

願っていた。

切望していたと言っても過言ではない。


だが、私はこのとき忘れていた。

…願いが叶ったことなんて今までに一度もないと。




 

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