フリーザ様

□地球に降り立つバカとフリーザ様
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※クリリン視点
※時間軸シカト






「おーい!悟空ー!みんなー!」

「おうクリリンか!」



今から30分程前、上空の遥か遠くに知った気を感じた。近づいてくるこの気は。嘘だろ…まさか…!慌てて亀ハウスを飛び出して、気が近くなる場所へ向かう。そこには既に悟空、悟飯、ピッコロ、ベジータが揃ってた



「な、なあ悟空…この気って…」

「ああ……フリーザだ間違いねえ」

「…!や、やっぱり…!」



ぐんぐん近付いてくる気はフリーザで、宇宙から地球へ向かっている。おそらくあと数十分もすればこの辺りに着陸するに違いない



「まさか次は地球を侵略しに来たんでしょうか…」

「そうだとしても孫を殺すのが先だろうがな」

「おいおい悟飯、ピッコロ、恐ろしいこと言うなよ…」

「フン、泣き言を垂れに来たのか貴様は。ビビったんなら帰って布団にくるまってろ」

「ははは、そう言うなよベジータ。なあに、でぇじょうぶだ!今のオラ達なら負けねえさ!」

「そ、そうだよな…!」

「…だがひとつ気になるのはフリーザの気と共にもうひとつ感じる小さな気のほうだ」

「え?……あっ!?ほ、ほんとだ…!」



ピッコロが(常にだが)神妙な顔してフリーザ以外の気があると言う。フリーザに気を取られていたがよく探ってみると確かにもうひとつの気を感じた



「でもナメック星に居たときに同じ気を持った人は居なかったと思います」

「だよな…それにコイツなんでこんなに気が小さいんだ?フリーザはデカイ気そのままなのにコイツは抑えてるのか?」

「オラもそこが気になったんだよな。ベジータもこの気に覚えは無えのか?」

「無いな。…オレの知る限りフリーザの側近に値する奴らは全員ナメック星で死んだはずだ」

「新手ってことかよ…」

「来るぞ」



ピッコロの言葉と共に空から宇宙船らしき物体が墜ちてくる。居るのはベジータも知らなかった新たなフリーザの側近なんだろうか。いずれにしてもこんな小さい気じゃ対峙してみるまで全くの未知数だ。多少離れた位置に墜ちた宇宙船の扉が開いて人影が見えればオレ達も緊張感が高まる。くそ…オレまた死ぬのかな…



『へー、ここがこの世界の地球かあ!なんかただの荒野だから全然実感湧かないけど…』



距離のせいで聞き取り難いが明るい声と共に出てきたのは見た目はどこからどう見ても華奢な人間の…



「お、女!?」

「そ、そうですね…どう見ても女の方ですね…」

「だから小っちぇ気だったのか?」

「バカヤロウ、見かけだけで判断するな。宇宙人だとしたらどんな能力を持ってるかわからんぞ」

「ベジータの言う通りだな。フリーザと居る時点で油断は出来ん」



拍子抜けしたオレと悟飯、悟空を余所にベジータとピッコロは警戒を強めた。確かに、いきなり気が膨れ上がるかもしれないし悟空がどっかの宇宙人から瞬間移動を教わったように、あの子も何か特殊な能力を持ってるのかもしれない。…が、そんな予想や警戒も次の瞬間に砕け散る



「名前さんっ!!」

『あ、フリーザ様ここって本当に地球?建物も無いし人も居ないからまったくわかんないんだけど』

「地球ですよ!人混みや都市の中心に着陸するバカがどこに居ますか!…と言うか私より先に出て行くなとアレほど言い聞かせていたのにアナタって人は何を考えているんです!!」

『あぁそう言えば……アハッ!ごめんなさーい、宇宙船の生活が長かったから早く外の空気吸いたくて』

「なにがアハッですか!降りた瞬間攻撃される可能性があると言っていたでしょう!」

『そうだフリーザ様嫌われものだったんだっけ』

「不愉快になる言い方はやめなさい!」

『はいはいごめんなさい。まあとりあえず殺されなかったからいいじゃん。…ってか誰も居ないよ?』

「まったく懲りてませんねアナタ…!…ハア、今はもういいです…人なら居ますよ、ほらアソコに」

『え…あっ、ほんとだ人間だ!うわ、じゃあちゃんと地球だったんだ!おーい!こんにちはー!』

「名前さんっ!!手を振るんじゃありません!」



………。

……、…な…なんだコレ…。開いた口が塞がらない…。女の子の声は聞き取り難いままだが、フリーザの怒声はハッキリ聞こえる。…幻聴?

当然の反応だがピッコロとベジータも唖然としている。特にベジータは顔色が凄まじく悪い。い、いったい何が起こってやがる…。若干怯えるように呟くベジータ。そりゃそうだ、オレだってあり得ないと思うのにオレ達の中で一番フリーザを知ってるベジータは天変地異が起きた心地だろう。オレはこちらに手を振る女の子(とそれを諌めるフリーザ)に釘付けになりながら、小刻みに震えるベジータの気配を感じていた



「と、とにかく近付いてみっか」

「いいっ!?ま、まじかよ…!?」

「…で、でも確かにあの人から邪悪な気は少しも感じません…」

「悟飯!?」

「…奴らの会話から察するに女に高い戦闘力があるとは思えんが…」

「ピッコロまで!?」

「……チッ!くそったれが…!」

「っておいベジータ!?」



邪悪な気を感じないのはオレだってわかるし、ピッコロがそう言うならそうなんだろうけどでもな…というオレのささやかな葛藤は、(これも常にだが)険しい顔したまま二人のもとへ飛び立ったベジータによりムダに終わる。後を追うように全員で二人のもとへ飛び立てば、



『わ、すごっ!人間なのにフリーザ様みたいに飛べるんだ!』

「名前さん!それも説明してあったでしょう!いいからさっさと私の隣に来なさい!殺されたいんですか!」

『この場合ダレに?』

「アイツらに決まってるでしょう!」

『いやなんかフリーザ様さっきからプリプリしまくってるからフリーザ様に殺されそうな勢いかなとか思って』

「ダレのせいだと思ってるんですかこのバカ!!」



……うん、フリーザお前…



















保護者はツラいよ



(フリーザおめぇ地球に悪さしに来たんか?)(ププッ!悪さって!どんだけやんちゃですかフリーザ様)(名前さんはお黙りなさい!)













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ヒロインの“様”付けは若干小バカにしてる感がある

続くかもしれない

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