フリーザ様

□続フリーザ様と一緒に映画沿い
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※ベジータ視点
※映画“神と神”





バカがバカな行動をとった為、なぜか破壊神ビルスとその付き人らしいウイスと言う奴がブルマの誕生日パーティーに参加することになった。バカがふたりに気づいた時には地球が粉々になる風景が脳裏によぎったが、バカはバカ過ぎたのでビルスは殺すにも至らないと判断したに違いない。ちなみに、いちいち言わんでもわかるだろうがバカとは名前のことだ。ビルス達は地球を破壊するのが目的ではなく、超サイヤ人ゴッドなる人物を探しにオレ達サイヤ人のもとへ来たらしい。超サイヤ人ゴッドだと?そんな話聞いたことがねぇ。界王の所に居るカカロットが超サイヤ人3になって挑んでも簡単にいなすような野郎が探し求める存在、超サイヤ人ゴッド…。オレ達以外にサイヤ人の生き残りが居るって言うのか?いや、そもそもこのオレより強いサイヤ人など認めるものか…!
『フリーザ様フリーザ様、あの猫みたいな人、かっわいいですねぇ〜』
「名前さん!言葉を慎みなさい!死にたいんですか!」
……。そうだった、オレはいま感傷に浸っている場合ではなかった。名前は飯を食いながらも少し離れた位置にいるビルスをチラチラ見ては隣に立つフリーザに感想を述べている。フリーザは名前の隣にぴったり寄り添い、隙あらばビルスのもとへ駆け出しそうな名前を警戒していた。…正直、超サイヤ人ゴッドが現れたとしても名前がバカなばっかりに結局地球は無くなるのではないだろうか。今のところはフリーザの言いつけを守り椅子に座って飯を食ってはいるが、ビルスだけじゃなくトランクスとそのガールフレンドだとかってガキのことも気になるらしく、あっちこっちに視線を泳がせていてせわしない。何か仕出かしそうな匂いがプンプンするがフリーザがああして隣に居るならなんとかなるだろう…たぶん。名前が一番バカなことに変わりはないが、今日この場には他にも大勢のバカが居る。名前はフリーザに任せてオレはビルスの機嫌を損ねないよう、周囲に気を配らねぇと

そんなオレとフリーザの努力も、たかがプリンひとつであっさり無駄になった
「ブウ!このクソッタレが!プリンくらいさっさと渡せ!」
「イヤダ」
「…ふ〜ん、もういいよ。ムカついたからやっぱり地球は破壊することにした」
「なっ!?」
冷たい目でこちらを睨むビルスは徐々に気を高めていく。気の禍々しさが発言が嘘ではないと証明してる。不穏な空気を察して会場にいる奴らの視線が集中するが、ビルスは気に留めず今にも苛立ちに任せて暴れだしそうだ。超サイヤ人ゴッドだなんだと言っていたくせに、こんなくだらねぇことでキレやがるなんざずいぶん器の小せえ野郎だと思うが、持っている力が大き過ぎるためにビルスのなすがままになるだろう。…カカロットは役に立たん、こうなりゃ悪あがきでもするしかねぇか…。みすみす言いなりになって死ぬよりいい。決意したオレが超サイヤ人になろうとした寸前、場違いな声が聞こえた
『えっ?プリン食べたいんですか?なら冷蔵庫に入ってますよ』
「ホントかい!?」
「!?」
場違いな呑気な声が聞こえた途端、直前までの禍々しい気が消え、目を輝かせたビルスが名前を見た
『あたしが作ったやつなんでここにあったのとは違うけど』
「でもそれもプリンなんだろう?」
『はい、プリンはプリン』
「それ、食べてもいいのかい?」
『いいですよー、取ってくるからちょっと待ってて下さい』
「名前、オレにもくれ!」
『は?ブーはダメ。あたしだってここにあったプリン食べたかったんだからね!一人占めとかそんなダサいことするヤツにはあげまっせ〜ん!』
「そんな!あとオレ、ブーじゃないブウだ!」
……。あっという間に話が進んでいき、オレは唖然とした。その後ろでフリーザも唖然としていたらしい。そりゃそうだ、今の今まで本気で地球を破壊しようとしていたビルスの機嫌を、プリンあるよの一言ですっかり持ち上げてしまったのだから。まさかの名前が。割と本気で名前の失言で地球は滅ぶと思っていたのに、だ。ビルスの琴線がどこら辺なのか謎だ。しかしこれでひとまずは安心だと内心ホッとしていたら予期せぬ第三勢力が現れた

「えぇーっ!?今日は名前ちゃんの作ったおやつは無いって言ってたじゃないかトランクスくん!」
「えっ!?や、悟天えっと、それはだな…!」
「ひどいよぉ!ボクも名前ちゃんのプリン食べたい!」
名前に走りよるカカロットの息子とそれについてくトランクスが言い争いを始めやがった。トランクスの野郎、ひとりで食う気だったな。名前にはなぜか菓子作りの才能が備わっているらしく、トランクスやブルマをはじめカカロット達もよく名前に菓子作りをせがんでいる。バカには才能など無いと思っていたがな
『トランクス、またすぐ作るから今日は悟天とバルス様に譲りなさいよ』
「バルスじゃないビルスだ」
「…ちえっ。ふたつしか無いから夜にパパと食べようと思ってたけどしょうがないや」
『えらいえらい、ってことでプリンは悟天とえーっと、』
「ビルスだ」
『ビルス様で食べてね』
「うん!やったあ!ありがとうトランクスくん!」
「まあオレも嘘ついちゃったしなー、ごめんな悟天」
「ボクはプリンが食べられるならそれでいいよ」
ビルスの名前を間違えた際に、オレの後ろでフリーザが小さく悲鳴を上げた気持ちは理解できる。しかしビルスは早くプリンが食いたいらしく、さほど気にしていなかった。どうにも癪だが名前の作る菓子の味は認めざるを得ないので、これでひとまずは地球破壊を回避したことになるだろう。あとは超サイヤ人ゴッドをどうにかすれば、
「貴女がお作りなったのはこちらにあったプリンとはまた違った味なのでしょうか?でしたら私にもひとくちいただけないでしょうかビルス様」
「む、ウイス、君はもう食べたんだろ?彼女の作ったプリンはボクの、」
『ああ!?はあぁ!?タケルゥゥゥ!!??』
「!?」
「タ、タケル?いえ私はウイスと、」
『ふざっけんなテメー!!どのツラ下げてあたしの前に現れてんじゃゴルァ!!!』
「名前ちゃん!?」
「なっなにを…!?」
「やめなさい名前さん!!何をしてるんです!!!」
……。な、なにが起こってやがる…。ビルスの付き人であるウイスを見た瞬間、名前が発狂してウイスに掴みかかった。名前の一番近くに居たカカロットの息子は、未だかつて見たことのない名前の変貌ぶりに飛び上がって驚いていた。瞬時に止めに入ったフリーザは流石だ。しかし名前は一方的にヒートアップしていて止まる気配がない。ビルスも唖然として名前を見ている
「名前さん落ち着きなさい!!初対面の相手に向かってなに考えてるんですか!!!」
『フリーザ様こいつタケル!!!まじ許さんぶっ飛ばす!!!離してフリーザ様!!!』
「あいたたたっ!ちょ、お嬢さん!髪の毛ひっぱるのはやめて下さい!」
『禿げ散らかれ!!』
「やめなさい!!タケルなはずがないでしょう!!よく見なさい!!この方は地球人じゃありません!!!」
『マジ許さん!毛根死滅しろ!!………え?』

フリーザの言葉でようやく我に返った名前は反射的にウイスの髪から手を離した
「ウ、ウイス…大丈夫かい…?」
「私、禿げ散らかってないですか…?」
「まあなんとか…」
ウイスは涙目でビルスに頭皮を確認してもらっているが、その間も名前はウイスを上から下までメンチを切って見ていた。チビ共はビビって寄り添い合っている
『…確かに…。タケルはこんな血色悪くなかったし髪の色も違うし身長も違うし…服もなんか変かも…』
「名前さん言ってることが失礼過ぎますし、そう思うのなら睨むのをやめなさい今すぐに」
『でも顔がすっっごい似てる』
「よ、よくわかりませんが貴女の仰っている方と私は多分なんの関係もありませんし、他人の空似ではないでしょうか」
『……』
「彼はボクの付き人でウイスって名だし、地球人じゃないしこう見えて君より遥かに長生きしてるよ」
「ええ、ですからその、そろそろ睨むのを止めていただけないでしょうか…。私はタケルではありません」
破壊神をも狼狽えさせるバカはまだ少し納得出来てなさそうだが、フリーザに腕をがっちり掴まれているので急に飛び掛かったりはしないはずだ。と言うかタケルとは誰のことだ…?
「やっだ、ねぇタケルって確か名前に300万貢がせてトンズラかましたって男よね!?」
「えっ!?」
名前の発狂を耳にしたブルマがぐいぐい現れて爆弾発言をし、ウイスを睨めつける。ちなみに「えっ!?」はウイスの声だ。おいやめろブルマやめやがれ
「いやちげぇよブルマさ!タケルつったらデートでママを連れてきて食事も買い物もみーんな名前に奢らせたクソだべ!」
「ええっ!?」
ブルマの発言をカカロットの嫁が訂正するが、ウイスに怒鳴りつけるように言うのは本当にやめろ、なんなんだこの女共。なんなんだ過去の名前の男共
「いいえ違います、タケルとは5股かけた挙げ句名前さんを5番目の女と言い放ったカスですよ」
「うわぁ…」
「ちなみにブルマさんの仰っているのはユウスケで、チチさんの方はマモルです」
フリーザのどうでもいい訂正にビルスが名前を見て憐れんだ
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