日記

ぐだぐだ喋りませう

◆ドフトリ夢主で小話 

※ドレスローザ編原作沿い風味
※夢主→←エースっぽい

「食ってみるか?」
まるで宝石のごとく宝箱に収められた濃い橙の果実のようなソレを食い入るように見詰める夢主にドフラミンゴが言った
『……食べない』
メラメラの実から視線を外さず応えた夢主の声は暗い。しかしはっきりと言い切った
「フフフ、そう言うだろうと思ったぜ」
笑うドフラミンゴに、夢主はようやく顔を上げた
『…悪趣味』
「フッフッフッ!そう言うな、手に入れるのに苦労したんだ。見てみたかったろう?」
『……』
言葉に詰まった夢主はもう1度メラメラの実を見た。忘れたことなどない。まるで太陽を操るように自由に炎を生み出していた男は今も夢主の心に住み続けている。男の身体に宿っていた炎の根源。この実を口にした時、初めて炎を造った時。彼は何を思ったろう。年齢よりも幼く見せるあの笑顔ではしゃいだのだろうか
『…そうだね、見たかったのかもしれない』
見たくないは嘘になる。片手で掴める程度しかない、ただの食べ物ひとつ、けれど夢主にとってたったひとりの男を証明していた

ドフラミンゴが、見せつける為だけに手に入れたわけではないことくらい長い付き合いでよくわかっている。そしてドフラミンゴとて、夢主が口にしないと確信していた
『ありがとう』
それでも夢主は心を込めてそう告げた。隣に並び立つ男は何も言わないが、宝箱がこの実の為にあつらえられたのだと気づいている
『だけど、あたしには必要無いみたい』
静かな声と共に丁寧に宝箱のフタを閉じた。そう遠くない未来、誰かがこの実を口にする。そんな日が来て欲しくないと片隅で思ってしまうが、いつか他の誰かが同じ炎を造って笑ってみせても夢主の太陽はエースだけなのだ

エースが好きってコメント頂いて浮かんだ小話をひとつ。

2018/12/19(Wed) 13:29

by 璃桜
ありがとうございます😭😭
これぞ求めていた小説!!!ってなりました。
これからも陰ながら応援してます😭

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