ドフラミンゴトリップ

□不法侵入されたドンキホーテ・ドフラミンゴ
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夜明け前、空が白みかけてきた頃にドフラミンゴは違和感を感じて目が覚めた。職業が海賊である為か得意ではないが寝起きが悪いというほどではない。目を開けてまず視界に入ったのはサイドボードに置かれた自身のサングラスと、昨晩飲んでいた酒の空瓶。目だけを緩く動かし見える範囲を確認したが、眠る前と何ら変わりは無かった

ではこの違和感は?ぼんやりしているわけではなく彼の性格なのだろう、頭の中でおどけるように自分に問いかけて口元に弧を描く

わかっている。目覚めると同時にしっかり理解していた。違和感は己の背後にある。横向きになっているドフラミンゴはそのままの状態で意識を背後に集中させた。だが、背後の違和感が自分に対し何らかのアプローチ…つまり害を成すような気配が無い。まあ実際はそれすらも目覚めると同時に気づいていたのだが。ふむ、ドフラミンゴは頭の中で何か決定付けてから片腕を使い上半身を起こして後ろを振り返った

違和感の正体を確認したのち、緩く弧を描いていた彼の口元は三日月になった







言ってしまえば、女が一人居たのだ。女が一人、仰向けで肌触りの良いシーツを首元まできっちり被り眠っていたのだ。ドフラミンゴは女を見た瞬間の表情のまま、部屋の中をぐるりと見回した。此処は自身の船の自室。広さはまあまあにしろ、内装は高級ホテルのスイートルームにも引け劣らない豪華さを持っている

眠る前と変わらない。それからベッド周りを見る。自分の靴がベッドから少し離れた場所に乱雑に脱ぎ散らかっている他は何も無い。これも眠る前と変わらない。ドフラミンゴは部屋を見回すのを止めて次に己の姿を見た。表情はそのままである。未だ上半身のみを起こしている身体は何も纏ってはいない。が、上に何も着ないで寝るのが彼の常だった。腰元を覆うシーツを少し捲ると、下は緩めのズボンを履いている。それはやはり、眠る前と変わらなかった

そこまで確認してからドフラミンゴは再び隣で眠る女に気を移す。きしりとベッドのスプリングが控えめな音をたてる。ドフラミンゴが上体を動かして女に近づいた為だ。二人が横たわるこのベッドはキングサイズであり、ドフラミンゴと女の距離というのは間に普通サイズであれば男でもあと一人入れる程は離れていた。普通サイズ、と言うのは言葉通りであり一応付け足すとドフラミンゴは規格外サイズである。ドフラミンゴは女の頭の直ぐ横に片腕を付き、空いたもう片方の手で女の首元まで上がっているシーツをそろりと捲った



「…フッフッフ」



ドフラミンゴは貼りついた笑みのまま、彼の特徴とも言える笑い声を静かに出した

女は上下グレーのスウェットをきっちり着込んでいた














いらっしゃい、眠り姫



(目覚めさせるにゃあ方法はひとつしかねぇよなァ?)














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ただのギャグだお^^



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