ドフラミンゴトリップ

□目の前の人の神経を疑うヒロイン
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此処は何処で目の前に座るやたらデカい男は誰だろうか







「フッフッフ…!」



あとこの笑い方ね。さっきからもうずっと笑ってるけどそろそろ黙ってほしい。古くさい悪党かアンタは。いや、本気で悪党かもしれない。だって眉毛無いし代わりに眉間に筋引いてるし浮かべてる笑みが「俺って危ない奴なんだぜ」って主張しちゃってるし、どこをどう見ても悪党にカテゴライズされる顔の造りだし。えっ、もしかして誘拐とかそんな感じ?ていうかもしかしなくてもあたしこの人にすっごくくどいキスされてたよね?目の前の人もあたしも口周りぐちょぐちょなんですけど。えっ、もしかしてストーカーに誘拐されたとかそんな感じ?えぇー…ヤバいだろそれ引くわぁ…



『…あとなんで鼻血出してんの引くわぁ…興奮しすぎっしょ…』

「こいつァおめェの仕業だぜ、フッフッフ…!」



なんだと…。マジで…。……いや、どこからどこまでがあたしの仕業なの?鼻血だけだよね?眉毛あたし関係無いよね?まさかあたしが剃っちゃったとかじゃないよね?さりげなくあたしの右手に絡まってる金色の短い毛達がそうだとか言わないよね?いや落ち着けこれは眉毛にしては長すぎだろ。どんな剛毛だ。たぶん髪の毛だろこの長さなら

…でももしこれが髪の毛なら確実に目の前の人のものってことになっちゃうんだけど、それってどうよ。絡まり具合的にあたしがむしり取っちゃったくさいんだけど…。覚えてない…。うそー…なにこれあたし謝るべき?謝るべきだよね…だってこの人曰く(多分)鼻血(だけと思われる)もあたしなんでしょ?…あたし何した?…や、薄々気付いてる多分あたしまた寝呆けてたんだ……いやぁでも寝呆けてたとしても初対面の方にそれはちょっと有り得ないでしょう……でも待って



『……あたし達って……初対面……?』

「そうだなァ」



だよね初対面、初対面……。えっ、てことはコイツ初対面の女でしかも寝てた相手にあんなハードなキスしてきたわけ?しかも片手はお腹さすってたよね…うわ外道…でもコイツが本当にストーカーで誘拐犯ならいまさらか。なんでも有りか。初対面…ってのも顔合わせて話すのがは初めてですよって意味合いかもしれないし。うわーうわー…そんな相手の髪の毛むしって鼻血出さすとかあたしこれからどうなっちゃうの。あたしもなかなか外道じゃん…。てかここ何処なのお前なんか言ってよ!



「なァお姫さんよぉ」

『…あ?』

「フッフッそう尖るなよ落ち着け、なァお姫さんおめェは何モンだ?」

『…はぁ?』



いやいやそっちこそ何モンなの。お姫さんて。OHIMESANて。…どうしようなんかすっごいイラッてきたイラッて。いや確かになんか言えよって思ったけどさ。尖るなとかってのもなんかこう、ね。ダメだダメだ、落ち着けあたし。いつ殺されるかもわかんないんだぞ



「…言い方を変えてやる。おめェが今ここに居るのが悪魔の実の能力のお加減だとして…何の用だ。王子様に会いに来たってェわけじゃなさそうだなぁ」

『ガチの人だったか』

「あァ?」



ダメだヤバい、このストーカー誘拐犯はストーカー誘拐犯なだけじゃなくて中二病まで患ってらっしゃる。悪魔?能力?てか王子様ってまさかそれ自分のこと?自分のこと言ってるの?ちょっと待て勘弁してよその悪党ヅラで王子様とか本当は残酷なグリム童話とかそっち系でも通用しないだろ。でも参ったなぁ、こんな身も心も危なくて話が通じないだなんて…うわーだいぶ面倒くさいなこれ。げんなりしてきた…はぁ…



『……ねぇ…ちゃんと教えて…ここ何処…』

「おれの部屋だ…おいおいお姫さんよォ知らずに入ったなんざ言うなよ?」

『……いや、知らないし……というかアンタがあたしを此処に連れて来たんでしょ…?……何の用はこっちのセリフだし……アンタこそ何モンなの…』

「………王下七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ」

『…は』

「知らねェ…ってツラしてんなァ」

『………』

「いいぜ、教えてやるよ此処はおれの船の俺の部屋で当然、偉大なる航路を進んでる。向かう先はおれのビジネスの取り引き相手が居る島で気候は春島だ。早けりゃ明日には着く……お分かりかお姫さん?」

『………』



え…え………ちょ、ちょっとおォ!だーかーらー!そういうのはもういいんだって!深い!設定が深すぎる!見たとこわりかしおっさんのくせにゲーム脳レベル高過ぎだろ!あれか、だからそんな若作りなのか!良い腹筋してますね!あとやっぱりなんかいちいちイラッとくるんですけどコイツの話し方!なんなの!



「で、だ…」

『…?』

「そろそろお姫さんも名乗ってくれてもいいんじゃねェの?」

『…あぁ……………………………名前は…………………名前…………で、脳内設定は特に無いごくごく普通の一般人です……』

「……名前………名前、か………普通の一般人ね………フッフッフッフ…!!」



やばぁ…また笑いだした。どうしよう、やっぱこんな危ない人に本名名乗るべきじゃなかった……てきとうにカテリーナとでも言っておけばよかった……コイツはフラミンゴだっていうのになんであたしは律儀に本名を…大失敗だ…。そしていつまで爆笑してんの何処に爆笑ポイントあった?人の名前連呼して爆笑とか失礼にも程があるだろ、いやもうそれ以前の問題だけどでもさ。そしてなかなか器用だなこの人。フッフッフって言いながらそこまで大口開けて笑えるとかどんなん

あー…もう面倒くさい…わけわかんなさすぎて極限に面倒くさい…



「フッフッフッフッフ!!…気に入った、気に入ったぜ名前チャンよォ!決まりだ、名前。たった今からおれがおめェの王子様だ…!」

『アンタ生理的にイライラする』







片手で両目を覆い天井を仰ぎながら更なる馬鹿笑いをする目の前の男に氷の視線を送るあたしだけど、この後直ぐに自分の状況を理解し面倒くささに脱力すると共にこのおっさんが存外扱いやすいと気がついて、イライラしながらも一緒に過ごす腹を括ることになる















脳内設定、一般人改めお姫様



(…は?海賊?)(そうだ怖ェか?)(アンタが王子様だってほうが百倍怖い)(フッフッフ!可愛い子猫チャンだ)(…あー…イライラする…)














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なんでトリップしたとか状況の説明とかが面倒くさ…ゲフン、出来ない。でもギャグなら割愛しても話しが進んでいくの\(^ω^)/←

ドフラミンゴに日々イラつきながらも最終的には面倒くささが極限に達してどうでもよくなってドフラミンゴのいいようにされてしまうけどちょっと立場が強かったりもする、そんなヒロインになればいいと思う



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