ドフラミンゴトリップ

□結局こうなる
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「ヒッデェ!忘れたのか!?おれ!エースだ!メシ屋で!」
『あ、うん…すぐ思い出した。でも今はちょっと待って、』
「いや〜!偶然で会えるもんなんだな!ちょっとビックリだよな!」
『そういう話はあとで、』
「ゲエッ!?クソ鳥てめェ名前さん襲ってんじゃねェ!!」
「ちげェよ襲うわけねェだろうが!!」
「アアァァア!!?て、てめ…!怪我まで負わせて…っ!この外道!!」
「話を聞けよい!!」
「なァまたメシ行こうぜ!」
『……』
四人もいてひとつの会話も成り立たないってある?




「えー!?お前ドンキホーテファミリーだったのかよ!?」
『…らしいよ』
元気に驚くエースにぐったりして返事する。あのあと五分くらい噛み合わない時間が続いたけど、あたしが大声でラークの名前を呼んだことで我に返ったラークと驚くあとの二人が黙ったことでなんとか収まった
「つーか海賊だったのかよい」
『…まあ、ハタから見たらそうなっちゃうでしょうね』
「名前ってどっからどう見ても弱っちいけどなァ?能力者か?」
『いや、』
「名前さん答えちゃだめ!口腐る!!」
「ア?」
『なんてこと言うの』
「このクソパイナップルは名前さんにわざと怪我負わせて手篭めにしようとしてやがったんスよ!」
「してねェ!!しつけェな!!」
手負いの獣かってくらいにエースとマルコさんに威嚇するラーク。しかもまた変な妄想までして。だけど両手に抱えた荷物は離さないのだから忠犬ぶりがすごい。地面に置いたっていいのに。基本的に真面目な子なんだよね
「それにしても痛そうだなその足。マルコ早く治してやれよ」
「いや…それがな、どう言うわけか治癒効果が薄くてこれ以上回復しねェんだよい」
「そんなんあんのか?」
「初めてだが…実際治らねェからな」
これに関してはあたしだってよくわからない。まず、マルコさんの言ってる治癒効果ってものが平均してどれくらい効きめ有るのか知らないし。まあ考えられる可能性としては別世界の人間だからってことなんだけど、まさか言えないし

「ったりめェだ!名前さんは虚弱体質で怪我や病気の治りが極端に遅ェんだよ!アーアー!こりゃあスミマセンデシタじゃ済まねェなァ!」
『待って待って不必要な追加設定やめて?』
あとその古臭いチンピラみたいなのもやめて。と言うかねえ虚弱体質ってなに?初耳なんですけど
「名前さんが倒れたときにローが言ってたんですよ、名前さんの身体は免疫力が低くて治りが悪いから気をつけて見てろって」
あいつのせいか!親切だけど!なるほどね、医者が言うんだもの皆心配してくれるよね。でも別にあたしは虚弱じゃないと思う。この世界の人達の頑丈さがおかしいだけだ。基準が間違ってる
「そうだったのか…。それは本当にすまねェことをした」
『いいんです、事故ですから』
「名前…」
『エース、そんな顔しないで。基本的には元気な人間だから平気』
ほら余計なこと言うから一気に思い詰めた空気になっちゃったじゃない。あたしはごく普通の体です
「名前さんが優しい人で良かったな。侘びはもういいからさっさと立ち去れよ」
「そうはいかねェよい。こんな話聞かされちゃあそっちの船医にきっちり送り届けねェと心配だ」
顎をしゃくって睨みをきかせるラークに、強引系ジェントルマンなマルコさんが反発する。いいのよマルコさん、あなたが船医と顔合わせて事情説明しちゃったら多分襲われる。あの子攻撃的だから今よりカオスになる
『マルコさん、あたしはもう大丈夫だしラークとも会えたし…あとは帰るだけなんでもういいです。それに、マルコさんとエースがウチのクルー達と顔合わせたらきっと喧嘩になるでしょうし』
「マルコは喧嘩っぱやいからなァ〜」
「お前ェにだけは言われたくねェよい。…けどな、名前は歩けねェしその荷物だし、どっちにしろお前らだけじゃ無理だろ」
「歩けない!?名前さんそんなに酷いんですか!?」
『今はほら、挫いたばっかりだから。しばらくしたら歩くくらい出来るようになるよ』
「歩けなくして…まさか…監禁…!?」
『本当によく回る頭だね、やめようか』
ああ困った。あとは帰るだけなのにどうしてこうも先が見えないのか。この際 海賊同士の喧嘩なんて放っておくべき?この人達なら怪我してもすぐ治るんだから多少の流血沙汰なら有りか?

「なァせっかく会えたんだしおれも付き合うぜ。ほら名前、おれが背負ってやるよ」
『その優しさは服着てからじゃないと受け取りたくないかな…あっじゃあラークの持ってる荷物を代わりに持ってくれる?で、ラークがあたしを背負ってよ』
「ハハッ、ご冗談を」
『えっ』
いきなり死んだ目で空笑いしたラーク。意味がわからない
「だって!!名前さん背負ってるとこ若に見られたらおれ殺されちゃいますって!」
『ああそういう…』
自惚れる気はサラサラ無いけどあの男のあたしへの執着心って相当おかしいレベル。殺されるのはラークの激しい思い込みだけど、機嫌はかなり悪くなるだろう。でもそれで当たられるのはラークじゃなくてあたしだと思う。次から自由に島を歩けなくなりそう…
『…まあだけどさ、マルコさん達に背負われてるの見られたほうがやばいんじゃない?』
「…血の海になりそうッスね」
『ね…』
「……名前ってドフラミンゴの女なのかよ」
『ちが、』
「そうに決まってんだろだから気安くしてんじゃねェ!!名前さんに手ェ出してみろ、火拳ごとき若が瞬殺するぞ!!」
「ア?さっきからテメェ、いい加減ブッ飛ばすぞ」
「ブッ飛ばされんのはテメェだ」
「ア"?」
「オ?」
『…はぁ〜……頭も痛くなってきた』
「…悪いこと言わねェからおれに背負われて帰れよい。ドフラミンゴは…エースよりはマシに対応出来ると思う」
『……すいません、よろしくお願いします…。あの男はあたしが何とかするので…』
「ヘェ…。じゃあさっさと行くか。その荷物はエースに持ってきてもらえばいい」
『…はい』
こんなことならはじめっからマルコさんに頼っていればよかった。会わせたくないなんて余計なこと考えずさっさと帰ってたらこんな無駄な時間使ってないし、実はいまも猛烈に痛い足の手当てだって早く済ませられた。ササッとマルコさんの背中におじゃまして、荷物はベンチに置いたままにする。マルコさんは青筋浮かべて睨み合う二人に何を言うことなくすたすた歩き出した



「白ひげのとこの古株サンが他所の女を手篭めにしてやがる…フッフッフッフッ…!!」
結局こうなるってなんでわからなかったんだろう。本当に、余計なことしなきゃよかった




























それも人生



(!?名前さんが不死鳥に攫われた!!)(アッ!?おい待て!)(おう火拳テメェそこにある荷物持って来い!丁重に扱えよ!)(ハアァ!?)






























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逃れられない

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