ハイスコア×ワンピース
□甘ったれためぐみ
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※エース視点
明らかに傘下じゃねェ見知らぬ船が堂々とモビーディックに接近してきたのを皆と眺めてた時は、威勢の良い野郎共が来やがった等と、自分自身のあの頃を若干思い出しつつも微笑ましく感じていたのに
「もうやだ!ムリムリ!絶対イヤ!」
『はいダメ、あと30分は続けまーす』
「はぁ!?30分もなんてめぐみ死んじゃう!」
『はいコレなんて読む?』
「鬼!」
『ほらめぐみ、そわそわしない余所見しない俯かない考える』
「うぅ〜…!無理わかんないもうヤダ!めぐみ別にこの世界の字なんて読めなくたっていいし!」
『必要最低限は知ってないと生活に困るでしょーが』
「困んなーい。だって読みあげてくれる男ならいっぱい居るしー。書くものあったってめぐみの代わりに書いてくれてるもーん」
『ちょっとすいません!誰ですかめぐみを甘やかしてるのは!』
「あー…悪ィな名前、クルー達もまァそうなんだが上陸した島で、な…」
「ボニー!?名前には言うなっつったろ!」
『めぐみ…』
「違うし!男が寄ってくるだけでめぐみはなんもしてないもん!」
「いや、めぐみが居ると海賊に当たり厳しい島でも自由に出来るからウチもつい、な…」
「そう!ボニーなんてめぐみのお加減でタダ食いばっかしてんの!」
『めぐみ』
「わかった!!30分やるっつーの!」
ギリギリまで横付けされた船からどんな野郎が飛び出てくるのかと、わくわくしながら臨戦態勢をとったが様子がおかしい。襲撃してくる気配がまったく無かった。甲板に出ている数人のクルー達は「本物のモビーディック号だ…!」「すげェ…本当に来ちまった…」「マジで大丈夫なのか…?」などと当人達がなにやら動揺している。わけわかんねェよい。おれの隣でマルコが言った
そんな間抜け気味の空気の中、敵船らしき船の船室の扉が開かれる音がした。中から現れたのは二人の女。もうわかってると思うがその内の一人が名前の仲間だった。そんなわけで、女達はモビーディックに招かれることになったんだが
「エース、ンな拗ねんなって」
「あ゙?…あァ、サッチか…拗ねてなんかねェよ」
「こえーよお前、拗ねまくってんじねェか!」
「拗ねてねェ!」
「あーはいはい、わかったわかった」
「…信じてねェだろ……チッ、拗ねてなんかねェよただちょっと面白くねェだけだっつーの!」
「(それを人は拗ねてると言うんだぜエース)…まァ、いつもなら今頃は名前がなんやかんや仕事手伝ってくれてる時間帯だよな」
「別に名前に頼ってるわけじゃねェけどな!けどアイツ昨日“明日はエースの書類整理手伝うね”って言ってたんだぜ!」
「(ははァ、かまってもらえないうえに約束すっぽかされて拗ねてんのね)そりゃ今日は仕方ねェだろ」
「わかってる!」
「(おーおー荒れてんなァ)」
“めぐみ”が来てから名前は付きっきりでこの世界のスペルの読み書きを教えてる。いつもなら船の中回ってクルー達の仕事手伝ってんのに、今日は甲板でひたすら“めぐみ”の相手してやがる。だいたいそれだけならまだしも、まったく勉強したがらない“めぐみ”やその女船長(大型ルーキーの一人らしい)がちょいちょい話を脱線させやがるのが気に食わねェ
さっさと終われよ。もういいじゃねェか、本人必要無ェとか言っちゃってんだから尊重しようぜ…なんて言えねーけど。あー30分まだ経たねェのか
「めぐみやっぱ名前の飲んでるジュースがいいー」
『ん、じゃあ交換』
「スコーンまだ食べたーい、名前のちょーだい」
『えー半分ね』
「あーん」
『自分で食べなよもう、あーん』
「あーダルい、膝枕」
『はいはい』
「あと髪の毛梳かしてー」
『食べ終わったらね』
なんだこれ
「………………」
「…エース、顔顔」
「あ゙ァ?」
「ナンデモナイデス」
サッチに声を掛けられたから返事すればなぜか強張られた。意味わかんねェ。けど今はそんなん気にしてる場合じゃない。もう一度言う、なんだこれ
30分が経ち名前が今日はここまでと言ったことにより、ようやくたいした身にならなさそうなお勉強タイムが終わった。やっとか、でもこれで“めぐみ”が帰れば時間的にまだ名前がおれの仕事手伝ってくれそうだな。いや別に一人でもいいけど!けど名前から言ってきたわけだし!…とか思ってたところに“めぐみ”の謎発言が響いた
「チョー疲れた!名前のバカ!ご褒美としてめぐみを甘やかせ!」
なんだよお前は名前のカノジョか。これにはおれだけじゃなく、常日頃から名前を甘やかしたがるマルコあたりが微妙そうな顔をしてた。つーかお前そんな疲れるほど勉強してねェじゃん!それなのに名前のヤツ…!
「…名前」
『あ、エース…、?どうしたの?顔険しくない?』
「険しくない」
『えっ(眉間の皺…)』
「…ンなことより名前、…お、おれの書類、」
「名前ー、髪の毛縛ってー」
「…!?」
『あぁうん、いいけどちょっと待って。ごめんエースもう一回言ってもらえるかな』
「……、…あー…だから、今日はおれと、」
「そういえばこの前ミッキーに会った」
『うっそ!?』
「〜っ!!」
“めぐみ”…!!なんだよお前もうちょっと黙ってらんねーのかよ!独り占めも大概にしろよ!名前に膝枕してもらって頭撫でられてその上まだ独り占めする気か!名前も何乗せられんだ!
「ミッキーのヤツこっちでもオヤ女がブレイクしたからって浮かれてた」
『あぁ…だろうね…』
「なんでモコがそんな人気なの意味がわからない」
『あっちの世界ではイケメンにモテまくるヒロインが受けるって担当さんに言われたらしいけど…』
「それめぐみのことだろ!モコじゃねーよ!」
『…あー…うん…まあベクトルが違うけどね…』
「あ、そうだ、ミッキーんとこで最新刊読んできたんだけど、前に名前がカッコイイって言ってた山岡くんが敵船のモコラブ海賊団に所属してた」
『ミッキー!!あれほど山岡くんは使うなって言ったのに!てゆーかモコラブ海賊団って!?』
いやそれより“ヤマオカクン”て誰だよ!!聞いてねーぞそんな話!!なんでンな必死なんだ名前!!“めぐみ”も余計なこと言ってんじゃねェ!
あーもうっ!おれこいつイヤ!
だってこれがあたし達なんだもん
(まァめぐみはわざとだろうけどな)(…わかってんなら止めろよい。今はお前が身元引き受け人じゃねェか)(ウチが言ったってあそこまで素直にはなんねェよ)(あれで素直なのかよい…)
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ぐだぐだ(^O^)/
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