ハイスコア×ワンピース

□シャボンディ諸島のあの場面を捏造
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シャボンディ諸島とかいう島に観光に来たのはいいけど(周りが)はしゃぎすぎた結果あたしが置いてきぼりと言う名の迷子になってしまったのは約1時間前。そこからルフィくん率いる麦わら一行に会う。聞けばナンパに勤しむ京介とサンジくんを制してるうちに“ケイミーちゃん”という人魚が拐われたんだとか

この事実は一言一句忘れずえみかに告げると言ったときの京介の顔に全員が引いたところでヒューマンショップだなんて物騒過ぎる場所までケイミーちゃんを救出しに行くことになった。京介の仕出かしたことなので連帯責任であたしも一緒に



『えっ嵐士…にさよ!?』

「あれ、名前だ。…と、京介も?」

「あら名前。…と、増田くん久しぶりね」

「オレをおまけ扱いしないで!」



ヒューマンショップにはなんと嵐士と沙夜が。ナミちゃん達は嵐士達を初めて見るらしかったけどそれよりも一緒に居る海賊団…というかキッドさん達とローさん達のほうに興味があるようだ。ああ、サンジくんは沙夜に夢中っぽいけど



『…ってさよとヒューマンショップとかなんて怖すぎる組み合わせ!』

「ふふ、この日の為にお金をたくさん用意してあったの。ほら」

「やだちょっと!500万ベリーはあるんじゃない!?」



まじかよ。ナミちゃんの発言に耳を疑う。500万?ただの(と言い張る)女子高生が500万をどうやって…。絶対聞きたくない…



『ロ、ローさん…』

「…今日の解剖屋は止められねェ」



まじかよ。ローさんの隈がいっそう濃く見えるのは気のせいじゃないんだろうな。背景に花を散らしてる沙夜に頭痛が起きる。そんな沙夜を見てキッドさんが嵐士でよかったと呟いたのがあたしとローさんにはバッチリ聞こえた。ローさん、気持ちはわかりますがそんな鬼の形相でキッドさんを睨まないでください。大丈夫、彼もなかなか苦労してますから



「で、名前と京介も見学に来たの?まさかさよちゃんみたく買い物目的じゃないよね?」

「えっ!?いやっ、ま、まあ…」

「え?」

『…京介がやらかしてくれたおかげで身内がココに捕まっちゃったの』

「うわーん!名前!そんな冷たい目で見ないで!助けて嵐士!」



嵐士の質問に慌てふためく京介に冷ややかな視線を送り代わりに返答すれば泣かれた。まったく、ココにえみかが居たらボコ殴りにされてるんだろうからそれに比べたら冷たい眼差しくらい軽いだろうに。それは名前も怒るよ、と嵐士が困ったように京介をあやしてるうちについにオークションが幕を開けた

…ていうかステージに掛かってるスマイルマークに見覚えありまくりなんですけど…















すでに数人がステージに上がり会場は徐々に盛り上がりを見せる。はっちゃんさんが言うには人魚はレアだから最後のほうに出てくるはずだそうだ。…うん、沙夜が食い入るようにステージを見ていることには触れないでおこう。どうやらローさんもあたしと同じ方向らしい視線が明後日を向いている。ベポは超震えているけど

そんな中、司会者がひときわ熱のこもった口調で話し出す



「さあー次はエントリーNo.5!ただの人間と侮ってもらっちゃあ困ります!特にジェントルマンの皆々様見て驚くなかれ!他のどんな種族にだって引けを取らない絶世の美少女!めぐみ!!」

『!!?』

「ぎゃっ!?めぐみ!?」

「な、なんでめぐみが!?」

「まあ」



司会者の煽りと共に現れたのはキラッキラに召かしこんだめぐみだった。会場の、特に男の歓声がヤバい。サンジくんのテンションもヤバい。あたし達の驚愕っぷりに(サンジくんを除く)それぞれの海賊団員は今ステージに上がっている少女があたし達の仲間だと察したらしい



「んー?あの女、京介や名前の仲間か?」

「そうだよルフィ!話したことあったじゃん!アレがめぐみ!」

「えっあの子が“めぐみ”!?やだ、ほんとに可愛いじゃない!」

「ああ、アイツが前に話してた天使の皮を剥いで被った大魔王か」

「シッ、シーッ!ゾロ声でかい!めぐみに聞こえてたらオレ殺される!」

「この歓声じゃ聞こえないんじゃないかしら?」

「それが聞こえてるのがめぐみなんですよロビンさん!」



「テメェの従兄弟ってのはあの女か」

「は、はい」

「確かに顔は極上の部類に入るな」

「でも中身はガララワニより狂暴ですよ、そんなめぐみを買いたい人なんて…」

「性格なんざ今わからねェだろうが。周りの男共を見ろ、こりゃあかなりの値になるぞ」

「そ、そんな…!お金を払わせてまで見ず知らずの人が不幸になるなんて…!」



「…アイツが“めぐみ”か…」

「あら?あたしローさんにめぐみの話したことあったかしら?」

「いや、名前から聞いた」

「そうですか」

「(解剖屋より手に負えないヤツと聞いてるが果たしてそんなヤツが本当に存在するのか…?)」



京介達の会話も耳に入らない。名前顔真っ青だぞ、とチョッパーが心配してくれたけどそれにも生返事がやっとで、心臓が動いてるのが奇跡だ。何を考えてるのかめぐみはニコニコ笑っていて、それが金額を吊り上げまくってる。みんな本気でめぐみを買う気か…正気の沙汰じゃないだろそれ

どうしよう、ねえどうしよう!と嵐士があたしを揺すってくる。名前が買っちゃいなよ!と京介が名案だみたいな顔してくる。あたしが買ってもいいけどその代わり…と沙夜が満面の笑みを向けてくる

………。まじかよ…なんでみんなあたしを頼る?すごく嬉しくないんですけど…

白目になるあたしに、やはりお前が一番苦労してるな、とキラーさんが仮面越しからでも滲み出るほどの同情の視線を送ってきた




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