氷帝学園で過ごす
□５月、試験終わりにて
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氷帝では試験後の結果発表は上位50名までを各学年の廊下に貼り出している。ちなみに、Ａ組の生徒はほぼ全員対象者だ。あたしだってこんなんだけど勉強だけはきちんとこなしている
「名前、13位おめー」
『よっち。ありがと』
「さすがだね」
『うーん、でも今回はヤマ張ってたとこが上手く当たったのがデカイかな』
「あ、それ思った。ギリギリに教えてもらったとこまんま出たもんね、助かったわまじで」
『あたしも問題見てキタキターって感じだったわ』
昼休み、お弁当を食べ終えクラスの友達に断りを入れてよっちのもとへ遊びに行く途中、貼り出されていた順位表につい足を止めていたらよっちが迎えに来てくれた。よっちに言ったように今回はヤマが当たってくれたおかげの順位であって、いつもはもう少し低い。でも、３年最初のテストがこの結果だったのは幸先良いかもしれない。よっちも50位以内にこそ入らなかったものの、結果は上々だったようだ。まあ外部生はある程度勉強出来てないと、そもそも入学もままならないわけだし
『待たせてごめん、売店でいいよね？行こー』
「ん。あたしプリンパフェ食べたいんだけどまだあるかなぁ」
『えーどうだろ、あれ人気だしね、』
「苗字！関口！」
「向日じゃん」
『声がでかいよ』
ただでさえ視線の集まる存在のくせに声まで大きいとはまったくなんてヤツだ
「わりーわりー。もう飯食ったのか？」
「うん、だからデザート買いに売店行くとこ」
「ほーん」
「……」
『……』
「……」
「え、なんか用あったんじゃないの？」
「えっ！？」
『ただ呼んだだけならもう行くけど』
「いや！待て、待て待て！ある！用ある！」
「なに」
「えーっと……あー…あーあれだ！なにお前らデザート食うならもちろんA組だよな！？」
「は？」
『や、カフェテリア行くけど。売店から近いし』
「なんでだよ！教室のがチャイム鳴ったあと移動楽だろ！」
『そうかもしれないけどカフェテリアのが広くていいじゃん。美味しいお茶飲めるし』
カフェテリアにあるカフェメニューはどれも美味しいけど少し高い。でも飲み物くらいなら買えるので、今日は売店のデザートとカフェテリアの紅茶の予定だ
「くっ…！」
「なに、向日も食べたいの？あげないよ？」
「ちげーよ！えーっと…じゃあ、あーと……あっ！順位！お前らテスト何位だった！？」
『いきなり？』
「いーから！どうだったんだよ」
「あたしはぼちぼちで名前は13位ってそこに出てる」
「やるじゃん苗字！おおっ！1位はやっぱ跡部かぁ〜すげえな〜さすがだな〜！」
『いや、うん、跡部はさすがだけど……え？なに？白々しいんだけど』
「どどどどこがだよ！フツーだろーが！」
『…？ええ…？』
「それにしても跡部はスゲーよな！試験はほぼ1位取るし1年の時から生徒会長だし、テニス部の部長も1年からやってんだぜ！？しかも中学のときから！」
「……知ってるよ」
『なにをいまさら…』
そんなこと、入学して３日目で知ったよ。周りからの情報すごかったから。それをいまさら向日はなんだってんだ。てか、そんな今更すぎる話の為にあたし達は足止めくらってるのだろうか。食べる時間短くなるからよしてほしい
「…てかさ、向日アンタ跡部様になんかしたの？」
「は？いやなんも？」
「すんごい睨んでるよ」
「えっ！！？」
ガバッと後ろを振り返った向日は途端に顔色を悪くさせた。コイツやっぱなんかやらかしてるな。実を言うと、A組でデザートを食えのあたりからすでに跡部は向日を睨んでいたのだが、距離が離れているしなにより向日の背後からの攻撃だった為、向日は気づいていなかった。静まれって言ってもデカイ声のままだったせいで向日の発言はある程度聞こえているだろう。自業自得だ
「なんかしたならさっさと謝んなよ、どうせ向日が悪いんだから」
「はあっ！？なんでだよ！つーかなんもしてねーし！」
『ふうん？まあなんでもいいけどあたし達行くね』
「じゃねー」
「あっ！おい！まっ…、いや！跡部違う！これはちげーんだよ！」
ギャーギャーうるさい向日は跡部に丸投げすることであたし達はやっとこの場を離れることができた。後ろから向日が謝ったり弁解したりする声が聞こえる。ちなみに跡部の声は聞こえない。向日どんだけ声デカイの
「意味わからんね」
『ね』
「あ、でもなんか向日やたら名前のこと見てなかった？」
『やっぱり？あたしも思ったんだよね。凝視してきてこわかったんだけど、もしかして太った？』
「ええー？どうかなわからんわ。体重は？」
『…減りはしない』
「ああ…わかる…」
その後もデザート食べながら熱いダイエット談義をしていたあたし達は絶対に痩せられない
きみのこころに映りたいの
(プリンパフェが無い！向日に時間使ったせいだ！)(かもね)(許さん！)
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がっくんは仲を取り持つとかヘタクソだと思うの