過去ドフラミンゴトリップ

□怪我した
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※コラソンは基本筆記スタイル




『あ!?あぶなっ…いっ!?』
「…!!?」




「…!…、…!!」
『…うん…もういいからほんと…。わざとじゃないって分かってるし、あのタイミングでコラソンの近くに居たあたしにも非があるからさ…』
ドジっ子に巻き込まれて瓦礫の上を転げまわり全身打撲・切り傷を負ったあたしは自室のベッドに寝かされ、同じく傷だらけのくせにピンピンしてる元凶から猛烈な謝罪を受けている

「コラさん、謝るのもいいけどちょっと退いてくれ。手当て出来ねェ」
小さいながらにお医者さんでもあるローが呆れながらコラソンをベッドから遠ざけるように押しやる。そりゃそうだ、コラソンは寝てるあたしに書いた文字が見えるように身を乗り出していて、どう見ても医者の邪魔にしかならない
《キズひどいのか》
「…まァ…そうだな…」
「…!!…!」
『コラソンもういいから、なんなら“ごめんなさい”の紙はもう捨てて』
ローの返事に、今までもずっと青かった顔色をますます青くさせて“ごめんなさい”を赤の太字で書いた紙を取り出そうとしたので止めた。怪我してから今までの間ずっと見せつけられててもはや呪いの手紙状態だ
『痛いは痛いけど死ぬわけでもないしちょっと怪我するくらいみんなあるでしょう』
「…いや、それにしたって名前の傷は転んだにしてはひどいぞ」
『えっうそ』
「!?」
「打撲も切り傷もコラさんよりずっとひでェ。…?なんでだ?転んだけどコラさんが庇ってくれたんだろ?」
『転がる途中からね。あ、そうだ庇ってくれてありがとう』
《とうぜんだ。キズひどいのか》
「だからまァまァひでェって」
「…、…!!」
『なにこのループ』
これはただの推測だけど、どう考えてもあたしが今まで生きてた世界とこの世界の人間は見た目も中身も違っていて悪魔の実がどうとか関係無く頑丈に出来てるっぽい。大きいねで済まされないくらいの体格と、ギョッとするくらいの身体能力。はっきり言ってそんな人達と一緒にされたら困る

《キズのこるのか》
兄とは全然違う性格らしいコラソンはかなり思い詰めた顔をしている。治るって言ってるんだからもういいのに。ローの話だと薬のおかげで傷跡もほとんど残らないらしいし。この世界の傷薬すごい
「包帯キツくねェか?」
『ちょうどいいよ、さすがだね』
「これくらい普通だ」
「……」
「とりあえず今日一日安静にしとけよ。動き回ると治りが悪いからな」
『はいわかりました』
「……」
「なんか飲むか?」
『お願いしていい?アイスティー飲みたいな』
「…!!」
「うわなんだよコラソンいきなり迫ってくるなよ!?」
『!?』
思い詰めたままのコラソンを放置してローと話を進めていたら突如コラソンがベッドのふちまで身を乗り出してきた
「…!」
『ど、どうしたの…』
グッと息を吸ったコラソンがぎろりと睨んでくる。え、なんで…こわいんですけど…
「せ、責任はとる…!!」
『!?うそ…喋った…!?』
「!?コラソンなに喋ってんだよ!?」
『えっ!?ロー知ってたの!?』
「こんなひでェめに合わせちまって、責任はとる!」
『待て待て、二重の意味で意味がわからない!』




『えーっと…簡単にまとめると、本当は喋れるのに勘違いされちゃって訂正する機会が無いまま今に至ると』
「おれはコラさんがドジってたまたま知ったんだ」
「不便もあるが意外と気楽なんで黙っててもらってんだ」
『そのナギナギの実ってのも内緒なのね』
「あァ。今、おれたちの会話は周囲に聞こえてない」
『そんなキリッとして言うけど、あたしにバラしちゃっていいの?お兄ちゃんにも内緒にしてるのに?』
「お兄ちゃんってヤメロ。気持ちワリィ」
「…コラさん、名前の言う通りだぞ。なにペラペラ喋ってんだよ」
げえっと苦い顔するコラソンを見てローが溜め息を吐く。ローってコラソンの前だと世話焼きさんだと思ってたけど、こういう事情もあったのか
『まあ黙ってるのはかまわないよ。ただ、内緒にしておきたいならあんまり迂闊に喋るのやめなよ』
「迂闊じゃねェ。声を出して言わなきゃならねェと思ったんだ」
『あぁ…、責任がどうとかって?』
「そうだ」
「なんの責任だよ」
「傷を負わせた責任だ」
『別にいいって』
「そうはいかねェ!こんな…傷だらけにしちまったんだ…!」
グッと拳を握って悔しそうにするコラソンをあたしとローは若干冷めた目で見る。え、コラソンって熱血系だったの…
「そ、その、お、おれがよ、嫁にもらうから何も心配するな!なっ!?」
『何言ってるの?どうした?』
なんなのこの人?ちょっと巻き込まれ事故で怪我したくらいで重すぎなんですけど…。ほらローも引いちゃってるじゃん
『ただの打撲も切り傷でしかも傷跡残らないんだよ?散々謝ってくれた分でもお釣り出るくらいだから責任とかやめよう?』
「そうは言ってもこんな全身包帯だらけなんだぞ!?おれのせいで!」
「それはコラさんもじゃねェか」
『むしろあたしよりひどいよ』
「おれは男でドジっ子だからいいんだ!」
『ええ…?』
そんな高らかに宣言されても言ってることだいぶおかしいよね。どうにかしてくれと目で訴えてくるローだけど、コレあたしのせいじゃなくない?

『…コラソン、責任感強いのは良いところだと思うけど嫁とかなんとか言われても正直困る。あたしはまったくその気無いんだし、結婚をただの責任取りの手段に使うのはよくないんじゃない』
「…うっ…」
『気持ちだけもらっとくから。ね?』
「……わかった…」
図体からは想像もつかないくらいしょんぼりしたコラソンは、やっと聞き入れてくれたようだ。あーホッとした
「なら、傷が治るまで世話させてくれ!頼む!」
「えっ」
『コラソンがお世話…?』
ドジっ子発動であたしさらにボロボロにならないかそれ。ローも同じことを思ったみたいで焦っている


「コラさんそれは、」
ローがそこまで言った時、ノックの音が響いた。コラソンは慌てて口を閉じ、それを確認したあたしは返事をする。ナイスタイミング
『どうぞ』
「姉様…」
『ベビー』
そろそろとドアを開けて中を窺うベビー。こちらもコラソンに負けず劣らずしょんぼりしている。彼女はあたしがボロボロで帰ってきたのを見て大泣きし、くっついて離れなかったのでローが手当て出来ないとキレて部屋から追い出されていたのだ。そりゃね、血塗れのコラソンに血塗れのあたしが背負われて帰れば驚きもするよね。ただ転んだだけでここまでなるとは…ドジっ子ってこわい。無闇に近づくのはよそう
「姉様…傷は?」
『うん、ローがキレイに手当てしてくれたよ。だからこっちおいで』
言うが早いかぴゃっと走ってくる
「痛い?」
『動かすとちょっとね。でも治るから問題無いよ』
「ロー、治るの?」
「当たり前だろ。ただ安静にしといたほうがいいからな、今日はこのままだ」
『肩動かすと痛くてさ、着替えとか手伝ってほしいな』
「!手伝うわ!私が必要なのね!」
『頼りにしてるよ〜』
「…!まかせてっ!」
パアァ!と明るい顔になるベビーにもホッとした。これでこの子は大丈夫だ。コラソンが《おれもてつだう》と紙をヒラヒラさせてアピールしてるのはとりあえず見なかったことにする

そうこうしてるうちに出掛けていた桃色が帰ってきてさらに騒がしくなったのでとにかく疲れた。みんな安静って言葉の意味を知ってほしい




















痛いの痛いの飛んでいけ



(フッフッフッ。やっぱり名前チャンはおれが居ねェとダメだな)(わかったからコラソンを睨むのやめなって…あぁほら落ち込んだ)

























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さっさとバラしていくスタイル

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