日記

ぐだぐだ喋りませう

◆ドフトリ夢主で小話 

※続々(以下略)・夢主がカタクリに嫁ぐ
※カタクリ夢?
※ドレスローザ編に絡ませてみた

『なに、これ』
蒼白な顔でニュースペーパーを読む夢主を、カタクリは目を細めて見た。ドンキホーテ・ドフラミンゴの七武海脱退のニュースは号外となり世界中に知らされた。海賊として国を治める為に必要な肩書き。捕えられる心配の無い肩書き。肩書きがあるからこその待遇全てが無きものになるその報せを、夢主は世界中の大半の人間と同じくニュースペーパーで知った
『こんな…、だって、七武海を抜けたら…』
この事実がドンキホーテファミリーにとってどれほど危ういものか、随分と長い年月をこの世界で生きた今ならよく分かる。ファミリーの顔が次々に浮かぶ。人を食った笑い声が耳鳴りのように響いた
「…何を考えてる」
『…!』
カタクリの静かに唸るような声で我に返った夢主はいつの間にか部屋を出ようと扉の前に立っていた。カタクリの、身を切り裂くような鋭い視線に夢主心臓の音が煩く鳴った
『…カタクリさん、あたし…、』
「駄目だ」
『…!』
「行かせねェ」
『…、……』
揺らいだ瞳でカタクリを見る夢主が口を開けたがひとつの音も出さずにすぐ閉じられ、代わりに夢主が手にしているニュースペーパーがガサリと音を立てた
『…ごめんなさい、頭を冷やしてくる』
「……」
伏せた瞳はカタクリを見ることなく、夢主は部屋を出た。残されたカタクリは夢主の気配が遠のいたのを確認したのちに拳で壁を殴った
「…クソッ…!」
衝撃に耐えられなかった壁がガラガラと崩壊していく様をギラギラした眼が追う。それでも、怒鳴り散らしたい衝動を必死に抑え込む。人身御供のようにファミリーの輪から放り出されたくせに、我を忘れるほどに未だ心を寄せるのが許せない。カタクリが背を押せば二度とは此処へ戻らないと思わせるような、あの悲哀に満ちた眼差しをドフラミンゴへ向けるのが許せない。おれを好きだと言ったその口が、どうしておれの傍を離れたいと言おうとする
「お前の家族はおれだろう」
カタクリの心中で渦巻くのはそれだけだった

自分だって兄弟達を大事にするくせに夢主がファミリーを優先させるのが許せないカタクリ。ただの嫉妬。

2019/02/01(Fri) 14:33

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