日記

ぐだぐだ喋りませう

◆小話 

※あんぱん な世界にトリップ
※見た目が猫

『おいしいぃぃ…!!』
涙目になるくらい感激しながらカツ丼を食べる私に、てんどんまん と かまめしどんが絶望した。この世界の食べ物は美味しい。何を食べても美味しい。なんならその辺に生えてる木の実すら美味しい。だからガマン出来ていたのだけど、カツドンマンとの出会いが私を変えてしまった。この世界に肉料理があるのか!肉料理なんて見たことないし誰も肉を食べたがらないから、ココでは魚肉以外は存在しないと思ってた。そもそも動物が服着て喋って生活してるわけだし、共食いするわけにもいかないかって思ってた。それが今日、パン工場に遊びに来たら“ どんぶりまんトリオ”なる人達がやって来ると言う。パン工場にはいろんな人達が来るから『へ〜』のひと言で流してた。そうしたらだ
「くろぶた おにくを パン粉に つけて〜♪」
この歌と、アンパンマンが「あ、カツドンマン」と口にしたのを聞いて私はフリーズした。は?黒豚?お肉?カツ丼?三人の中でミーが1番に着いたと自慢げにアンパンマン達に話すどんぶり顔。こいつ、カツ丼の匂いがする…!「ミーはカツドンマンと申します」との挨拶と共に頭の蓋を外して脳内を私に見せつけてくるカツドンマン。その狂気の行動も今は気にならない…とまではいかないが、何も言う気にならない。カツ丼だ。狐色のパン粉に包まれた肉と絡まる卵がほかほかの白米の上に乗っている。ヨダレが止まらなかった
『はあ…!最高に美味しかったです、ありがとうございます!ごちそうさまでした!』
「い、いえ、喜んで頂けて何よりです…」
どうしても今すぐカツ丼を食べさせて欲しいという不躾な要求を彼は快く承諾し、アッという間にカツ丼を作ってくれた。脳内カツ丼を渡されたらどうしようと一瞬不安になったが、ちゃんと別のカツ丼を作ってくれた。ちなみに、どんなに見届けようと思っても彼がどこから豚肉を用意したのかは分からなかった。これもまたこの世界のメルヘンゆえだろう。用意された豚肉を追求してはいけない。美味しければいい
「こんなに嬉しそうに食べる方は初めてです…」
私が食べ始めてから照れっぱなしのカツドンマン。アンパンマン達も「夢主ちゃんはカツ丼が大好物だったんだね」なんて言ってる。そうだけどそうじゃない。曖昧に笑っておいた。そんなこんなで今後 定期的にカツ丼を食べさせてもらうようになるのだが、今日の日の感激を自分達の丼にも!と、てんどんまん と かまめしどんが必ず一緒にやって来てちょっと困る事にもなるのだった。いや、天丼も釜飯も美味しいんだけどね

2019/03/16(Sat) 12:21

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