薄桜鬼

□もはや熟年夫婦!
1ページ/1ページ







「千鶴」



「はい、お茶のご用意ができました」



「千鶴、アレはどうした?」



「あっ、アレでしたら

先程、近藤さんが

読んでらっしゃいましたよ」



「そうか・・・ああ、千鶴・・・」



「くすっ・・・大丈夫です。

ちゃんとご用意できていますよ」



藤「あーーーーっ!もう!

二人とも、さっきから

何なんだよっ!!」



「えっ・・・?」



「何怒鳴ってんだ?平助」



原「気にするな・・・

ただ、拗ねてんだよ。

まあ、その気持ちは

分からないでもねえがな」



藤「だいたい土方さんは

千鶴に何でもかんでも聞き過ぎ!

千鶴は土方さんだけのもんじゃ

ないだろっ!」



「何言ってやがる。

千鶴は俺の小姓だ。

俺がいつ何を頼もうが

聞こうが、俺の勝手だ」



藤「なっ!?

千鶴もだぜ!土方さんが

ちょっと名前呼んだだけで

茶だの何だのってさ・・・」



「だって・・・名前だけでも

何のご用事なのか

分かってしまうから・・・」



原「へえ・・・

まさに、熟年夫婦、だな」



「・・・原田」



「!?じ、熟年夫婦、って・・・

何をおっしゃるんですか!

原田さん」



藤「そうだよ、左之さん!

何言ってくれちゃってんだよ!」



原「お前もいい加減

あきらめろ・・・

土方さんに敵うはずねえだろ」



藤「やってみなきゃ

分かんねえじゃん!」





昼下がりの一コマ。

何気ない日常の

何気ないやりとり。

そんな些細なことが

とても大切だった。







「土方さん」



「・・・ああ、俺もだ」



「えっ・・・?」



「俺も・・・同じことを思ってる」



「・・・はい」










『何よりも大切で

何よりも愛してる・・・』










〜終〜


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ