華鬼

□初めてのキモチ
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朝、目覚めると・・・

目の前には大好きな人の寝顔。

そして、抱きしめられる温もりを

その腕の力強さを感じて。

こんなにも幸福を感じる朝が

私にもくるなんて・・・

夢にも思わなかった。








「・・・大好き、な人」








自分で言った言葉に顔が熱くなって

思わず目の前の広い胸にくっついてしまった。

感じるのは・・・

私と違って穏やかな鼓動

惹かれてやまない香り。



ああ・・・やっぱり

好きが止まらない。

こんな気持ち、今まで知らなかった。

日に日に強くなっていく気持ち。

留まることを知らない想い。

どうすれば、伝わるのか・・・。








「・・・神無」



「えっ・・・起きてたの?」



「ああ」



「ぁ・・・」



「一人で何してたんだ?」








起きて間もない掠れた声にも関わらず

いつもと同じように

不敵に笑んで見せる彼。

こんな態度にも惹かれてしまうだなんて。








「・・・華鬼のこと・・・」



「俺が、何?」



「・・・す、好き、だなって・・・思って・・・」



「・・・顔に出てるぞ」



「えっ!?」



「俺も、好きだ」








この低く甘い声に耳元で囁かれると

何も考えられなくなってしまう。

きっと・・・

もうどうにもならないくらいに

この人に溺れてしまってる。









 

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