華鬼

□彼の災難〜光晴の場合〜
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未だにむかつくし正直認めたない。

けど、神無ちゃんが幸せなら

それ以上何も望むもんなんてない・・・

そう思てたんや。

け・ど・なっ!!







「華鬼・・・」



「?」



「くすっ・・・ココ、ついてる」



「・・・ここ、か?」



「ううん・・・ココ」







今目の前で見せつけられてるのは、一体何や!

華鬼と神無ちゃんの部屋のキッチンの改装するから

昨日から食事は皆と一緒に食べてるわけやけど。

・・・食事のたんびに見せられるイチャつきに

俺の我慢も限界や!!

現に今も、華鬼の口横についたご飯粒。

それを神無ちゃんがとってパクって

さも当たり前みたいに食べよって・・・。

俺以外は見て見ぬふりしてるけどな

っていうか、俺もそうしてたんや。

けどな、それにも限界ちゅうもんがあるやろ!?







「・・・おい、さっきから五月蠅いんだが?」



「ああ?」



「食事の時くらい、静かにできないのか」



「!っ〜・・・お・ま・え・が!

それ言うんか!?」



「・・・光晴、やめときなよ」



「水羽は平気なんか!?コレ、見せられて!」







コレと目の前のバカップルに指をさす。

申し訳なさそうに顔を真っ赤にする神無ちゃん。

そんな表情も可愛いな・・・。

それに引き換え、その隣りで不機嫌さ丸出しの

華鬼は何なんや。

ちょっとは気つかうとか考えられんのか!

神無ちゃんも何でこんな男選んだんや。







「・・・ちっ・・・だから、五月蠅い」







・・・今、舌打ちしたよな?

ちゃ〜んと聞こえたで?

カチンと、もう切れた俺は

思いきりテーブルに手ついて立ち上がった。

すると、それと同時に・・・。







「華鬼・・・そんな言い方、ダメ」



「・・・食事中に騒ぐアイツが悪い」



「でも・・・ケンカ、しちゃダメ」



「・・・お前が心配しなくても

しないから安心しろ」



「うん・・・ありがとう」







ニコっと華鬼に微笑んだ神無ちゃんの笑顔。

その見惚れる程の優しい笑顔。

それを向けるんが・・・なんでソイツなんや!







「・・・いい加減にしろ」



「か、華鬼・・・」



「今回は華鬼に同感。

光晴、さっきから独り言うるさすぎ」



「食事中は静かにして下さい」



「子供ではないですよね?

マナーを守ってくださいね」







華鬼だけやなし何で皆俺にばっかり・・・。

なんとなくコレ以上怒んのもアホらしいし

とりあえず注意されたから椅子に座った。

けど、食欲なんか湧くはずもないし

相変わらずイチャつく男の方を

最高の憎しみを込めて睨んでから

目の前のコーヒーをグッと一気に飲み干した。














〜end〜


 

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