牛蒡夢

□愛してダーリン☆
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※微裏(R-15くらい)





『え?』



「今日は臨時で休みっつってた」







ベッドの中で

そろそろ仕事の時間だからと

彼の朝食作りに起きようとした。

まだ早朝なので

眠る彼を起こさないようにと

静かに出ようとしたのに。

つい最近まで戦闘を生業としていた

戦闘民族な彼は

少しの動きや気配にも敏感で。

案の定、私が起き上がって

ベッドから下りようとしたら。

ぐいっと強い力に引かれて

逆戻りしてしまった。



寝ていたはずの彼と目が合って

ご飯を作らせて欲しいと訴えると

先程の答えが返ってきた。

仕事が休みだなんて

昨日言ってくれてたら良かったのに。

でも、休みっていうことは・・・。







『お仕事が休みなら

今日はずっと一緒にいられる?』



「・・・ああ」



『ホント?じゃあね、じゃあね

・・・今日はず〜っとね

バダにくっついてたい、なぁ』



「・・・・・・」







ベッドの中での呼び方で

少し強請ってみた。

地球での仕事に慣れて

ここ3〜4日は仕事だったから。

ちゃんと一緒に食事もするし

寝る時も一緒なのに

なんだか寂しい、なんて思って。

だから、休みなら

買い物もいいから

外食もいいから

デートもいいから

今日1日貴方を感じていたいの。







「お前・・・こんな朝っぱらから

煽ってんじゃねえよ」



『え・・・』



「まあ、4日お前のこと抱いてねえし

お前も人肌恋しくなっても

仕方ねえとは思うけどな」



『ち、ちがっ・・・そうじゃなくて』



「それじゃあ、お前の要望通り

くっついて過ごそうじゃねえか」







ガバリと覆い被さられて

見下ろしてくる笑みが

黒い、というか・・・

欲に塗れてる感じ。

ギラつく瞳も

焔のように熱い眼光も

しっとりとした肌も

早朝の爽やかさとは

かけ離れたもので。

張り付けている意地悪な笑みで

唇を焦らすように奪われて

思わず私から追ってしまう。



きつく押さえつけられていた両手は

いつの間にか自由となっていた。

でも、抵抗なんてできるはずもない。

この展開は・・・私が望んだのだから。

彼の重みも伝う肌の温もりも

彼の言うとおりこの4日間に

感じれなかったもの。

この距離間もこの戯れも

全部が久しぶりのようで。







『んっ・・・は、ぁ・・・』



「くっ・・・相変わらず

エロい顔で堪んねえな、ミルク」



『や、ぁ・・・私より・・・

バダの方が、エッチだもん』



「否定はしねえが・・・

俺をそうさせんのはお前だからな」



『?・・・どうして?

私、何もしてないよ』



「お前が・・・

そうやって瞳、潤ませたり

小っせえ口を震わせてたり

俺が触れば敏感に反応したり

いちいち俺を煽ってんだよ」



『っ・・・し、知らない、もん』







くつくつと笑う彼は

楽しげではあるけれど

私が真っ赤になって睨んでると

また、あの瞳で見下ろされた。



近づく顔が首筋埋められると

チクリと甘い痛みが広がって

きつく吸われる音が間近に聞こえる。

思わず零れた自分の声が恥ずかしくて

我慢しようと懸命に唇を噛んで。

すると、唇をテロっと舐められて

思わず開いてしまった唇から

強引に彼の熱い舌が入ってきた。

口内を蹂躙されながら

肌を這うように下りていく手にも

神経が過敏になり逃れたい気持ちと

もっと、もっとという気持ち。

その二つが混ざり合って

ぐちゃぐちゃになって・・・。







「くくっ・・・昨夜の余韻か?

いつもより敏感だな」



『や、ん・・・も、分か、んなぃ』



「ふっ・・・そそる声だぜ?」



『ひゃぅ!・・・やぁ、ん・・・

耳もとで、しゃべんないでぇ・・・』



「・・・ミルク」







腰に響く低音の声と一緒に

隈なく肌へキスをされて。

彼が自身の唇を舌で舐める姿に

ゾクリとした所へ

名前を呼ばれてしまって。

もう、このまま流されても良いって

そう思った時・・・。







天「お姉ーちゃ〜ん!!!」



「・・・あ?」



『へ?!』



天「あれ?

ねえねえ、お姉ちゃんと祖父ちゃん

まだ寝てるのかな?」



飯「なあ、悟天。

もうちょっとしてからにしよ?

お祖父さんも仕事かもしれないし」



天「うん・・・」



「・・・・・・ちっ」



『・・・・・・』







外から聞こえてくるのは

孫達二人の声。

今日はハイスクールも休みだから

悟飯君も一緒みたい。

これから・・・っていうところで

こんな風に邪魔が入って

彼の逆鱗に触れたかもしれない。

それが向けられるのは私でなく

きっと外の孫達だから

より心配だけと。







「・・・・・・・・・ちっ・・・

はぁ・・・ミルク、飯」



『ぇ・・・あ・・・うん』



「くそっ・・・あのガキ共

こんな朝っぱらから何だってんだ」



『多分、悪気はないよ・・・』



「んなもんあってたまるか!

ふん・・・まあ、二度とねえように

アイツら躾けてくるか」



『え・・・!?』







何だか楽しげな表情で

危険な発言があったような・・・。

躾け、って・・・?

でも、あの孫達は強いし

サイヤ人の血を引いてるし

大丈夫だよね、うん。



服を着た彼が寝室を出ようとしたので

後ろから抱きついてみた。

そのまま振りかえった彼の頬に

そっとキスを一つしてみたけど

自分からしなれないから

これだけでかなり恥ずかしい。







「ミルク・・・

どうせなら唇にしろ」



『うぅ・・・ほっぺが限界』



「くくっ・・・慣れねえな。

安心しろ、アイツらは

早々に帰すつもりだ。

そうすりゃ、さっきの続きしてやる」



『っ!?・・・ぅ・・・はい』







ちゅっと唇にキスをされて

さっきの続きを

思わず想像してしまって。

キュンと疼く心と体を持て余しながら

彼の為にとびきりの朝食を用意しに

キッチンへと足早に向かった。



早く、続きしてほしいな・・・。








〜END〜



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