牛蒡夢

□甘い蜜はいかが?
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『だから、今日チチさんが

誘ってくれて

とっても嬉しかったです』



チ「実はな、頼まれただよ」



『え?』



ブ「誰に?」



チ「お義父さにだ」



『え・・・』







衝撃の事実です。

でも、どうして?

というか、いつの間に?

一人で孫家に行ってたのでしょうか?

それは・・・ずるいです。

私も行きたかったな。







チ「おらもな気にはしてただ。

お義父さが仕事行ってる間

お前さ、家で一人だろ?

家に来たらいいと思ってたら

2〜3日くれえ前にな

ふらっとお義父さが来て

『昼間、ミルクが一人ん時

アイツ寂しがってるはずだから

相手してやってくれ』って

そう頼みにきただよ」



『バーダックぅ・・・』



ブ「うわぁ〜・・・とんだ愛妻家ね。

なんだ、心配してたけど

ちゃんと大事にされてんじゃない」



『?心配、ですか?』







ブルマさんからの言葉に

また小さく首を傾げました。

何か、私は心配させるようなことを

してしまったのでしょうか?

それとも、彼以外の人から見ても

私は常に心配される程に

頼りないのでしょうか?

・・・自分で考えてて

少し、落ちこんでしまいます。







ブ「孫くんと瓜二つだって言っても

中身は全然違うじゃない?

しかもベジータと孫くんを見てたから

生活を支えるなんて

絶対無理だと思ってたから

ミルクちゃんがもしかしたら

不自由してんじゃないかしらって、ね」



チ「ブルマさ、心配いらねえべ?

お義父さとミルクさは

すんげぇ、らぶらぶだべ〜」



『え!?ち、チチさん!?』



ブ「らぶらぶ・・・あの顔で・・・

ぶはっ!あはは、ホント〜?」



チ「んだ。おらも何度か

見たんだけんど

こったら恥ずかしいこと

人前でよくすんな〜って

いつも感心してるだよ」



『え?え?!な、何がですか?

な、何かおかしかたですか?

っていうか、どれのことですか?!』







微妙に照れながら言うチチさんと

何だか大笑いしてるブルマさんと

只々、困惑してる私。

恥ずかしい?

チチさんに見られて?

大体孫家に会う時は

いつも彼と二人だから

どれのことを、何のことを

言われているのかが

思い当たる節が多過ぎて

かえって分からないです。







ブ「ねえ、今日バーダックが

仕事に行く時・・・何て見送ったの?」



『見送り、ですか?』



チ「んだ。いってらっしゃ〜い

だけじゃねえべ?」



『え〜っとぉ・・・

バーダックがぎゅぅって

抱っこしてくれて

そのまま玄関まで行った後

しばらく抱きしめながら

キスしてもらって

それから、今日の帰りは

夕方になるからって。

でも、なるべく早く帰るから

良い子にして待ってろって

最後にもう一回キスしてくれて・・・』



ブ「も、もういいわ・・・」



チ「ああ・・・」



『え?』



ブ「あ、あんた達

いつもそんな感じなの?」




『そんな感じって・・・

バーダックと、ってことですか?』



チ「そうだ」



『そうですね。

いつでもどこでも

ず〜っと一緒だったので

仕事中離れるのが寂しくって

それは惑星ベジータに居た時も

そうだったんですけど。

だから、仕事以外は

傍にいてくれるんです。

彼、ホントに優しいから

優し過ぎて心配なんです・・・

彼の事、他の女の人が

好きになっちゃったらどうしようって』



チ「お義父さに限って

他に目が行くことなんて

ぜ〜ってえねえだよ」



ブ「そうね・・・

今のミルクちゃんの話を聞いて

まあ、ありえないわね。

っていうか、バーダックのことを

優し過ぎて困る、なんて言えんの

ミルクちゃんだけよ・・・」



『?はい?・・・んっと・・・

あ!ありがとうございます?』







何となく呆れ気味に言われたことに

何と返せば良いのか分からなくて。

でも、彼のことで私だけと

言われたことは

素直に嬉しくって。

意味は分からないけど

お礼は言わないといけませんよね。



そこからは、バーダックの

お仕事の話になり

良く知らないなりに説明してると

どうやら、彼に仕事をくれている所は

地球ではと〜っても有名らしいです。

で、彼の男気に惚れて?

仕事に誘ってくれた男の人は

社長さんだそうで。

ということはバーダックは

社長さんのお気に入りってこと?



お気に入りなので

仕事は彼の都合に合わせてくれて

・・・っていうよりも

私に合わせてくれて

少しでも家にいれるように

仕事は月に10日あるなしで。

でも、報酬はこの前見せてもらったら

お札の束がい〜っぱいでした。

それがお仕事1日分の報酬らしいです。







ブ「何なのよ・・・

バーダックって何者?」



『サイヤ人でと〜っても優しい

私の旦那様です!』



ブ「あ〜、はいはい・・・

まあ、惑星ベジータにいた時も

真面目に(?)仕事してたみたいだし」



チ「ああ。まったく働かねえ

どっかの誰かさんに比べたら

全然、ええに決まってるだ」



ブ「まったくね」



『??』







二人の言うどっかの誰かさんが

誰の事か分からないけれど。

でも、こんな風に

同性の人とのお茶会なんて

久しぶりだから

とっても楽しいです。

バーダックのおかげだな・・・

うん、ホント大好き!!

だから、今日の晩御飯は

彼の大好物をい〜っぱい

頑張って作ろうと思いました。









〜END〜


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