牛蒡夢

□ラブパラダイス
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バーベキュー中。

大量に焼けるようにと

大きなコンロも用意してあって

みんな食べまくっています。

そんな中、焼く担当となったのは

バーダックです。

焼きが追いつかなくなって

焼き加減のこだわりもあって

「だぁあ!俺がやっから

てめえらは食ってろ!」

と、なっちゃったんです。

いつもの赤いバンダナつけて

次から次へと焼いています。

ああ・・・どうしましょう。







『・・・カッコイイ』



「・・・馬鹿言ってねえで

そこの焼けたヤツ、あいつらに

渡してこい」



『うん・・・でも、バーダックは?』



「ああ?食いながらやってるに

決まってんだろ。

いいからさっさと持っていけ」



『うん』







お皿に山積みの大量のお肉やらを

テーブルに置くと

サイヤ人とその息子達で

あっという間に減っていきました。

さすが・・・見事な程で

見てるだけでいっそ清々しいです。







ク「はは、相変わらずの食べっぷりだな」



ヤ「何言ってんだよクリリン。

今さらだぜ、そんなこと」



亀「確かにそうじゃな。

昔から遠慮なんて

これっぽちもせんからのう」



ブ「まったく・・・ねえ。

バーダックは食べてんの?」



チ「ここに座ってろって言ってから

ずっと一人で焼いてんべ。

焼きながら食べんならええけど」



ビ「あ、ミルクさん。

バーダックさん

ちゃんと食べてました?」



『あ、はい。食べてるって言ってたので

大丈夫だと思いますよ?

食べることはかかさない人ですから』



ブ「まあ、サイヤ人だしね〜。

ん?ミルクちゃん、どうかした?」



『え?』



ブ「顔が赤いけど、日焼けした?」



チ「お義父さに怒られちまうだよ」



『え、あ・・・日焼けじゃない、です

・・・さっき、バーダックと話してて

・・・あの・・・格好良くって』



ブ「そんなことだろうと思ったわよ」







正直に話したら冷やかされちゃって

逃げるようにバーダックの所に戻ると

着々と焼き続けていました。



額から頬を通って首筋を伝う汗が

何だかとっても色っぽくて

キュンとしちゃいます。

おまけに今はタンクトップに

ハーフパンツという格好で

あの筋肉がついた良い体が

惜しげもなく出されていて。

ジュースを飲みながら

ついつい見つめてしまって

今の汗まみれのままで

抱きしめてもらえたら

それだけで感じてしまいそう、なんて。

自分で自分のイヤらしさに

何だか自己嫌悪してしまいながらも

我慢することに必死でした。







「・・・何見てんだ」



『あ・・・ごめんなさい』



「んな目で見んな・・・襲うぞ?」



『えっ!』



「・・・くくっ・・・お前

嬉しそうな声出してんなよ」



『っ!?・・・だ、だってぇ・・・

今のバーダック、何だかエッチで

ぎゅぅって抱きしめて

ほしくなっちゃって』



「・・・肉焼いてるだけでエッチって

俺はどんだけヤラしい男に見えてんだよ」



『ち、違うの・・・あの、ね・・・

汗とかね、腕とかね・・・

何だか、触れたいなって』



「お前の方がヤラしいじゃねえか」







ニヤっと笑ったその顔が

欲を滲ませたもので。

いつの間にか最後のお肉も

全て焼きあげていたようで

全部をテーブルに置きに

行ってしまいました。

はあ、と一気に体の力が抜けて

その場にへたりこんでしまいました。



ダメです。

彼はイヤらしすぎです。

フェロモンに耐えられません。

カッコ良すぎなんです。



真っ赤になってると思われる

熱い頬を両手で覆ってみるけど

あんまり意味はないかもしれません。

ほぅ、っとまた熱い息を吐くと

急に視界が陰って・・・。

気がつけばひょいと彼に

担がれていました。

驚く間もなくそのまま

テントから離れてしまいます。







『え・・・え?あ、あの・・・』



「何だ?」



『勝手に離れちゃ・・・』



「アイツらなら気で分かんだろ」







口では困ったように言いながら

本当はやっと彼に触れられたことに

喜びを隠せないのです。

流れる汗でしっとりとした肌

漢っぽい野性的な香り

日にあたり熱くなった体温。

どれもが魅力的過ぎて

担がれながらも触れて

堪能してしまいました。









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