牛蒡夢

□期待に応えましょう
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今日は彼が仕事がないので

何と、デートに誘われちゃった!

びっくりです。

日頃、人混みやお出かけを

あまり良しとしない彼から

「買い物にでも行くか?」

なんて、誘われてしまった。



そして今いるのは

ショッピングモール。

周りには可愛い女の子や

ラブラブしているカップルで

割と溢れかえっている。

私も彼と一緒だけど・・・

恥ずかしさがいっぱいで

さっきから隅っこから動けない。







「おい・・・いつまで

そうしてる気だ」



『っ・・・む、むりぃ〜・・・』



「お前から言いだしたんだろ

新しいのが欲しいっつって」



『!い、言ったけど・・・

一緒に買うなんて言ってないもん!』



「俺が脱がすんだから

俺の好みのもんにすんのが普通だろ」



『ふ・・・ふ、普通、なの?』



「当たり前だ」







私が欲しいと言ったのは

新しい下着。

私が持ってる下着は

可愛らしいものが多い。

レースやリボンが付いてるものや

ドットや小花柄とか。

セクシーというかエッチなもの

彼が好きそうなものは

あまり・・・というか全く持ってない。

だから、今日はこっそり買おうと

そう思ってたのに。

まさか、一緒に選ぶことになるなんて。



ようやく立ち上がって

彼の傍にこっそりと近づいた。

周囲を見回すと

カップルが意外と多くて

一緒にこっちのが似合ってるとか

あっちのが可愛いとか

服を選ぶみたいに普通だ。



もっと、堂々としてた方が

案外恥ずかしくないのかも・・・。



そう思うようにして

落ちついてきた鼓動に

ほっと安心して。

ぱっと彼を見ると

彼が真剣な表情で見比べていた。

右手に持つピンクで

スケスケ、ヒラヒラ、ふわふわの

ベビードールというものと。

左手に持つ黒と白のモノトーンで

紐のTバックで布地面積の狭い

結構際どい上下下着セット。



完全にフリーズしてしまった私に

彼はこちらを向いて

私に宛がいながら呟いた。







「・・・ここまでスケてるより

ギリギリ見えねえ方が良いよな」



『ぎりぎり・・・?』



「つっても、ここまで際どいのもな

・・・お前向きじゃねえ」



『・・・・・・』



「どうすっかな・・・」



『・・・何で、そんなに真剣なの?』



「ああ?そりゃあ脱がす時の

楽しみを考えたら

真剣に選ぶに決まってんだろ?」







本気だ。

本気の瞳だ。

もう、彼を止めることができず

結局彼は迷いに迷って

ピンクに黒のリボンやレースが付いた

ベビードールと下着上下が付いた

3点セットを購入した。

それには様々なオプションが付いて

それはそれは、彼を悦ばせるもので。

私はというと、彼に好きにされて

流され流され、とうとう新たな扉を

開いてしまった・・・気がする。









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