牛蒡夢

□煌めく蒼の泡沫
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「はぁあ!?テメェ、ふざけんのも

大概にしろよっ!!!」



「い、いや・・・だが、今回は

フリーザ様も仕方なく・・・」



「おい、落ちつけってバーダック」



「あのな!!制圧する星の住人を

一掃しろってぇなら強かろうが

弱かろうが、文句なんか言やしねえよ。

けどな、今回はそれ以前の話だろ!!」



「ちょ・・・バーダック!!

ここで暴れるんじゃないよ!!」










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





『え・・・調査??』



「・・・ああ」







不機嫌極まりない声音に

腕の中のミルクが

僅かにピクリと体を震わしたのが

鮮明に伝わってきた。

コイツが悪いわけじゃねえし

恐がらせるつもりも更々ねえ。

溜息一つを吐きながら

滑らかな髪を梳いてやると

気持ち良さそうに目を細めて

すり寄ってくる。

ったく、小動物みてえだな。







『いつも・・・制圧をするのって

闘ってたのに、何で調査だけなの?』



「基本は命じられた星の住民を捕えるか

闘うかして制圧するのが俺達の仕事だ。

だが、星の環境や特性に着目する場合

無人の星へ調査に出されることもある」



『そうなんだぁ』



「けど、そういう場合は

研究員が行くようになってるってのに

人出がないだか何だか知らねえが

たまたま空いてた俺とトーマとセリパに

指令が出たんだよ・・・ちっ!」



『でもぉ・・・それだったら

今回は、早く帰ってくる??』



「・・・ああ」







そう尋ねてくるミルクの

愛らしい表情を見ると

苛々や胸糞悪い気分が

一気に晴れていくのが分かる。

本当に、ミルクは俺にとって

癒しであって気力の源でもある。

食事も欠かせねえものだが

俺にとっちゃあソレ以上に

ミルクは欠かせねえもんだ。

と、そこまで考えて・・・

ふと思いついた。







「確か・・・・・・あったはずだ、が」



『?どうしたの??』



「あ〜・・・・・・ああ、これだ」



『?』



「なあ、ミルク」



『はい』



「一緒に行くぞ」



『・・・?どこに?』



「今回の調査だよ。

俺達と一緒にお前も来い」



『!?ええっ!?!!』







まあ、コイツのこの反応は

当然のもんだよな。



今回調査に行く星は

水の星と言われる程に

水で覆われている。

陸地が極端に少なく

今回着陸する場所は

唯一上陸できるところだ。

かといって全体が海ではないらしく

その覆われている液体が

何か特殊な物らしい。

資料を見てもかったるい説明を聞いても

いまいち分からないが

兎に角、今回は調査といよりは

その液体を指定された各ポイントで

採取してくりゃ良いってことだ。

生命体は水中なんかに生息してる

微生物程度らしく

大きな生命反応はない。



そういうわけで危険が限りなく低く

たいした内容でもないから

偶にはミルクを外へ

連れて行ってやりたくなった。







『すごいね!水で覆われてるなんて』



「明日出発だ。

俺と同じポットに乗れ」



『うん!!ちゃんとお仕事の邪魔

しないようにするからね』



「お前を邪魔なんて思わねえから

安心して満喫しろよ」



『うん、ありがとう!!バーダック』







そう言って満面の笑みを見せてくれた。

その可愛さから、思わず抱きしめて

そのまま押し倒してしまった。

まあ、明日まではたっぷり時間もある。

ゆっくり堪能しても大丈夫だ。



力ない抵抗をしかけるミルクを

執拗に口づけることで抑えつけ

くたっと身を預けてきたところで

ベッドへと運んでやった。

さっきとは打って変わって

明日の調査に浮足立ちながら

目の前の愛しい彼女を堪能した。










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