ワンドオブフォーチュン

□止まらないのは君のせい
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「あの・・・ユリウス?」        

         





「ん?なに?」        

           





「あの、ね?・・・勉強、しよう?」           

            





「うん、してていいよ」         

           

           

         
















さっきから何度このやりとりが

繰り返されたのか・・・。        







ここは自習室。

今日は夕食後に一緒に勉強をすると

ユリウスとルルは約束をしていた。

二人で勉強、ということを

楽しみにしていたルルだが・・・

一つ心配なことがあった。






それが・・・コレ、だ。         

            

            

            











「ね、ねえ、ユリウス!

・・・ちゃんと、勉強しなくちゃ」        

        



「うん・・・でも、今は、無理」        

       



「無理、って・・・

それに、こんなところで、恥ずかしいわ」       

        




「どうして?」           

         





「だって・・・他にも人がいるのに・・・」        

         





「大丈夫だよ。

皆勉強してるんだから

周りのことなんて気にしてないよ」       

           

           

           

















何を根拠に大丈夫だと言いきるのか・・・。





今のユリウスはルルを抱えて座り

後ろから抱きしめている。

それでもルルにとっては恥ずかしいのに

ユリウスはルルの柔らかな髪に

口づけながら

その甘い香りを堪能していた。        







この部屋には二人きり、のはずがなく

多くはないが少なくもない

他の生徒がいる。

そんな周りの生徒は

皆少し距離を置きなんとか

視界に入らないように努めていた。          

           

            

           




















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