ワンドオブフォーチュン

□甘い甘い時間
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「?どうかした?ルル」         

        


「えっ?」         

          


「急に黙っちゃったから・・・疲れた?」        

          

「ううん、そうじゃないの。

・・・私ねこんなにも

幸せでいいのかな、って思って・・・」         

          

「・・・どうして?」       

        


「だって、ユリウスのことが好きで・・・

ユリウスも私のことを好きになってくれて・・・

こんなにも穏やかな時間を過ごして・・・

いつか罰が当たっちゃうんじゃないかなあ

なんて思ったの」          

          

         

           




















思ったことをわりと素直に言ってみると

急にユリウスが私の前に回ってきて。

両肩をしっかりと掴まれてしまった。        

          

          

           



















「えっ・・・ユリウス?」         

         


「何言ってるんだよ、ルル!

そんな、罰なんて当たるはずないよ!

幸せだって言ってくれて

俺の方こそすごく幸せで

それで喜んでくれるならまだしも

そんな風に不安になることなんてない。

幸せ過ぎで罰を与える誰かがいるなら

俺が君を守るから!」          

         


「あ、あのね、ユリウス・・・

ちょっと、落ち着いて・・・」       

         


「たとえそれが神様だとしても

君から笑顔や幸せを奪うのは許さない。

必ずどんなものからも君を守ってみせる。

だから・・・そんな風に落ち込まないで」           

           

「ユリウス・・・」           

           

             

           



















いったい何でこんなにも

話が大きくなったのか・・・

少し幸せ過ぎだな、と漏らしただけ。





でも、ユリウスの嘘、偽りのない言葉は

私をもっと幸せで満たしてくれた。        

         

        

         


















「ねえ、ユリウス」        

        

「・・・えっ、何?」        

          

「ユリウスは、幸せ?」        

          

「うん、俺はすごく幸せだよ。

君が笑顔でいてくれるだけで

俺は世界中の誰よりも幸せになれるんだ」         

         

「・・・私もよ。

ユリウスと一緒にいるだけで

とっても幸せになれるの」         

          

           

         




















お互いに笑顔で見つめ合い

私もユリウスもほっぺたが少し赤くなって。

それでもこんなに想いあえる相手がいるなんて

きっととっても素敵なことだと思う。








他の生徒が行き交うのを見て

人前で何をしているのかと

一気に体が熱くなってしまった。



引っ張っていく私を

不思議そうに見ているユリウス。

周りを気にしないのも良いことだと思うけど

でも、少しは気にしてほしいの。





そんなことを思いながらも

午後の甘いひと時を想いながら

まずはショコラプーペに

お茶とお菓子をお願いしに向かった。




















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