ワンドオブフォーチュン
□ダイスキな人
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「ごめん、ユリウス」
「俺は大丈夫だけど・・・ルル、大丈夫?」
今日は聖なる日、クリスマス。
ラティウムでは恋人達で溢れているだろう。
二人も初めは街に出ようと
思っていたのだが・・・。
「うん、だいじょ・・・くしゅん!」
「・・・大丈夫じゃないね」
「そ、そんなこと・・・くしゅん!」
「ねえ、ルル。今日は休んでた方がいいよ」
今日はデートの約束をしていた。
だが、運悪くというのか
タイミングが悪いというのか
ルルは風邪をひいてしまった。
パピヨンメサージュで
ルルの風邪を知ったユリウスは
今にも女子寮に乗り込みそうな勢いで
部屋を飛び出そうとした。
しかし、それをなんとか
マシューが止めてくれたのだ。
そんなことで、本日のデートは中止。
しかし、再度ルルから
パピヨンメサージュが送られてきた。
今から玄関ロビーに来てほしい、というもの。
風邪なのに大丈夫なのかな、と
不安に思いながらもユリウスは
言われた通りに玄関ロビーで待っていた。