final fantasy

□惹かれる言動
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『FF7〜クラウド×エアリス〜』





優しくて、美人で

スタイル良くて。

自分を一番に心配してくれる

そんな幼馴染の女の子。

そんな子が傍にいるなら

周りの女の子に目がいかないなんて

当然、なんだよね。



クラウド、レッド]V、私で

次の町まで移動してきた。

待ちにつけば一足早く

バレット、ティファ、ヴィンセントが

待ち構えていた。







テ「大丈夫だった?」



「ああ。問題ない」



テ「そう・・・良かった」







そんな些細な会話。

でも、視線だけでそれ以上の会話を

お互いにしているみたい。

クラウドだって、普段よりも

ずっと柔らかい表情、だし。

モヤモヤする気持ちと

・・・何だかね

二人を見てると

あの頃の私と彼を思い出す。





ザックスと私。





あんなにも初々しくはないけど。

ザックスとクラウドだって

似ても似つかないけど。

あ、でも・・・些細な仕種とか

ふとした時の振る舞いとか。

そういうとこは、似てるかな。



でも、私もそうだった。

少しでもその姿を見れたら

会って言葉を交わせたら

それだけで、とても嬉しかった。

本人にはっきりと言えたことなんて

なかったんだけど。

でも、私はあの時の私が

思っていたよりも

ずっと、ザックスのことが好きだった。

そして・・・

今度はクラウドに惹かれてる。

でも、それって・・・。







「・・・彼に、似てる、から?」







そう呟いてみて

自分がどれだけ嫌な子なのかって

分かってしまって。

クラウドにも、ティファにも

とっても失礼なことだよね。

クラウドにはティファみたいな子が

一番お似合い、なんだよね。



私らしくない。

こんな風にウジウジしちゃうなんて。

でも・・・それだけ

クラウドに惹かれてるのかも。

同時に、ザックスのことも

たくさん思い出してしまってる。

自分の気持ちが分からない。







「・・・はぁ・・・」



「はぁ・・・あ・・・いた」



「ぇ・・・クラウド?」



「はぁ・・・あんた

何勝手にいなくなってるんだ」



「勝手にって・・・私、ちゃんと

バレットとヴィンセントに伝えたよ?」



「バレットと、ヴィンセント・・・」



「うん。宿の傍の花壇でお花見てるって。

だから、何かあればすぐに呼べって

二人とも言ってくれたから。

てっきり、クラウド達にも

言ってくれてるのかと思ってたんだけど」







出て来る前のバレットとヴィンセントとの

やりとりを思い出しながら

私を心配してくれてた二人が

何となく記憶にない父親のような

そんな風に見えて。

何だかおかしくて、それでいて

少し、嬉しかったりして。

そんなことまで思い出してたら・・・。







「・・・ずいぶんと、嬉しそうだな」



「ん?あのね、バレットとね

ヴィンセントったら

私のこと心配し過ぎなくらいに

心配してくれててね。

何だかこそばゆいけど

とっても嬉しかったの」



「・・・・・・俺だって・・・」



「?クラウド??」



「っ・・・俺も、心配、なんだ」



「え・・・」



「っ・・・い、いいから!

宿に戻るぞ・・・みんな待ってる」



「?う、うん・・・」



「・・・ティファも、心配してたけど

今頃バレット達から聞いてるだろうし

まあ、大丈夫だろ」







ツキンと胸が痛んだ。

クラウドの口から出たティファの名前。

私は、ただザックスの姿を

クラウドに重ねてるだけじゃ

なかったのかな。

キュっと締め付けられるように

苦しくなって。

これって・・・あの時と同じ。



恋、してる?

私、クラウドに、恋・・・してるの?



グルグルと考え込んでいると

知らない間に足が止まっていて。

そんな私の顔を覗き込むように

クラウドが思いっきり顔を近づけてきた。







「えっ・・・ク、クラウド!?」



「・・・・・・誰のこと、考えてるんだ?」



「え・・・?」



「・・・俺と、いる時は・・・

・・・・・・俺を・・・」



「・・・・・・」



「っ・・・な、何でも、ない!!」







そう叫びながら私の手を掴むクラウド。

驚きながらも、そのまま歩きだしたから

私もその手をそのままに

クラウドについて歩き始めた。

斜め後ろから見えるクラウドの耳が

真っ赤になってて。

私の勘違いじゃなかったら

もしかして・・・ヤキモチ、やいた?

バレットとヴィンセントだけに話したこと

二人のことを嬉しそうに話したこと

それと・・・二人でいるのに

ザックスのことを考えたこと。

少し不貞腐れたように見えたのは

そういうことって、思ってもいい?



あんなに痛んだ胸はポカポカ温かくて

とっても嬉しくなった。

でも、ね?

クラウドだって、悪いんだよ。

ティファとばっかり

楽しそうに話してるんだから。







「いいの?クラウド」



「何が?」



「ティファと、一緒にいなくて」



「?何でティファが出て来るんだ?」



「・・・いつも一緒にいる気がするし

しばらく離れてたし

話したいこと、あるかなって」



「別に・・・

こっちであったことは伝えたし

特に言っておくことはこれといって・・・」



「っ・・・そういうことじゃなくて」



「・・・意味が分からないが

俺が今一緒にいたいのは、あんただ」



「え」



「何っ・・・・・・!?・・・

ち、ちがっ・・・い、今のは

深い、意味は・・・」



「・・・ふふっ・・・」







そこにどんな意味があるのかは分からない。

でも、今この瞬間。

私と一緒にいたいと言ってくれた。

それだけで、今はいいかな?

これからも、って言ってもらえるように

口下手な貴方から

好きと言ってもらえるように。

まずは、私をもっと知ってもらうことから

貴方をもっと知ることから始めて行こう。











〜END〜


 

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