final fantasy

□甘く蕩ける紅い花
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「んっ・・・・・」



「・・・エアリス?」



「・・・・・・」







左腕に感じていた存在がかすかに吐息を洩らし

身じろいだ気配を感じ目をうっすらと開いた。

すぐ隣には安らかな寝顔があり

なんとなく安堵した。

薄暗い寝室の窓に目をやると

まだ夜が明けきらない時間だと分かる。

枕元のテーブルにある携帯で時間を確認すると

まだ、夜明けまで時間がある。

今日は依頼も予定もなかったはずだ。

ということは一日中エアリスと

イチャイチャできるってわけだ。

眠気も一気に吹っ飛び

自分がニヤけてくるのが分かった。







「一日一緒なんて、久しぶりだからな・・・」







未だに寝ているエアリスを見つめていると

自然と視線が頬をなぞり桃色の唇へおりた。

その甘さと感触を思い出し身体が熱くなる。

そして、唇から象牙のような白い首筋をたどり

胸元に散らばる紅い花に視線が止まる。

・・・こんなに付けた覚えなかったけど。

昨夜の情事の激しさを物語っているかのように

いつも以上にその花が散っていた。

胸元に留まらず二の腕や背中

そして太股の内側にも付けた覚えがある。

いつもは彼女が嫌がればそれ以上付けない。

でも昨夜はどうしてか

彼女の嫌がるそぶりにさえ煽られて

自分では抑えられなくなっていた。

エアリス、怒るだろうな・・・。







「まあ、そんなとこも可愛いんだけど・・・」



「・・・ぅんっ・・・・・くら、うど?」



「あ・・・起こしたか?」



「ん〜ん・・・だいじょ、ぶ・・・」







まだ眠いのか目をこすりながら

柔らかい笑みを見せた。          

そんな表情に俺も頬が緩む。

でも、その笑顔から下へと視線を下げると

情事の痕である紅い花が・・・。







「ふふ・・・おはよ、クラウド」



「おはよう」



「今日は、一日一緒、ね」



「そうだな・・・」







嬉しそうに話す彼女が可愛くて

先程から沸々と湧きあがり始めた欲に

自分で気付いている。

外では空が少しずつ明るくなり始めている。

でも、今日は一日

イチャイチャするつもりでいたわけだから

別にいいよな・・・?







「エアリス」



「なぁに?・・・って、何!?」



「ん?」



「・・・なんで、上に乗ってるの?」



「ああ・・・エアリスと

イチャイチャしようかと・・・」



「それは・・・私もしたい、けど・・・

クラウドも私も、裸、なんだよ?」



「だから?」



「ふ・・・服!着たい、の・・・」



「なんで?」



「恥ずかしいから!!」







俺の下で真っ赤になりながら

怒っている彼女だけど

そこから感じるのは愛しさだけだ。

昨夜と同じで膨れ上がった情欲を

もう抑えられない。







「恥ずかしいって・・・

ヤること、ヤってるだろう?」



「!?そんなことはっきり言わないでぇ!」



「だいたい、エアリスが悪い」



「えっ!・・・なんで?」



「・・・・・可愛すぎるから」







そっと彼女の柔らかな唇に触れると

口の中に甘さが広がった。

そのまま首筋に唇を寄せて

また一つ紅い花を散らした。

陽の光が入り始めたこの部屋から

俺がエアリスを解放したのは

太陽が真上に上る頃だった。













〜end〜


 

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