final fantasy

□こねこの温もり
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「えっ・・・」







カインがバロン城の自室に戻ってくると

何故かここにはいないはずの人物がいた。

しかもベッドの上で寝ている。







「・・・リディア・・・?」







あの戦いの後

幻界に行くと言ったリディアを

カインは引き止め想いを告げた。

そして、恋人となった彼女をカインは

これでもかという程に甘やかし愛していた。

それこそセシルとローザが驚く程に。



カインは自分のベッドで

可愛い寝顔で熟睡しているリディアを見て

表情を和らげた。

会うのは2日ぶりなのに

何故かしばらく会ってなかったような

そんな気がしてしまった。

それ程までに会いたいと欲してやまなかった。

鎧を外してベッドに近づいたカインは

リディアの横に座った。

ベッドの軋みに揺れたリディアが

少し身じろいだ。







「ん・・・」



「リディア?・・・寝てる、か」



「・・・んっ・・・カイ、ン・・・」



「えっ?」



「・・・おかえり、なさい・・・」



「・・・リディア」



「・・・んん・・・」







カインは寝言だとは分かっていても

彼女も自分に会いたいと思っていてくれたと

喜びを感じていた。         

こうして部屋で待っていてくれたということは

そういうことと判断できるはず、と。

そっと彼女の仄かに染まった頬に触れた。

触れた指先から感じる温もりが

カインの全身に沁み渡っていく。

いつも・・・リディアのこの温もりが

カインの心を癒し温めてくれていた。







「・・・ただいま、リディア」







カインはリディアの隣に横になると

小さく温かな身体を抱きしめて

ゆったりと眠りについた。












〜END〜


 

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