final fantasy

□ずっと、いつまでも
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「こんな感じ、かな・・・」







今日はクリスマス。

いつもより、少し豪華なお料理に

何回も失敗してやっと成功した手作りケーキ。

結婚して初めて迎えるクリスマス。

二人で何度も過ごしてきたけれど

何だかいつもよりドキドキしてしまう。







「ただいま」



「おかえりなさい、クラウド」



「これ、買ってきた」



「・・・お酒・・・ワイン?」



「俺とエアリスが初めてデートした夜に

飲んだワインだ」



「そうなの?ありがとう!」







クラウドって、こうしてさりげなく

私を喜ばしてくれる。

こんなさりげなさが大好き。







「それから・・・」



「?なぁに?」



「これ」



「えっ・・・これ!何で?分かったの?」







クラウドから渡されたもの。

それは私の瞳と同じ色の

エメラルドのネックレス。

この前のデートでたまたま見つけて

すごく惹かれたもの。

あの時はお店の予約時間も迫ってたから

クラウドにも言わずに

そのまま先を急いだのだけれど。

その後クラウドにも誰にも

そのネックレスのことは言わなかった。

それなのに・・・。







「どうして・・・?」



「・・・ずっと、見てるから分かる」



「ありがとう・・・嬉しい」







思わず頬が緩んで笑顔になってしまう。

そんな私を見て

クラウドも笑顔になっている。

そこで私は

自分が用意したものを思い出した。







「あっ、クラウド、ご飯の用意できてるよ」



「ああ」



「クラウドが買ってきてくれた

ワインと一緒に食べよ」



「そうだな」



「・・・あの、ね・・・それと・・・」







私もクラウドに内緒で用意していたもの。

少し恥ずかしいんだけど・・・

前にクラウドと約束したことだから

こんな特別な日でないとできない。







「先に、テーブルについてて?」



「ああ・・・」







数十分後。

準備もできたし・・・

後はクラウドの所へ行くだけ。

かなりの羞恥心に襲われたけど

それでもクラウドの為に・・・。







「お、お待たせ!で、す・・・」



「えらく時間かかっ・・・た・・・」







クラウドが固まったまま私を見ている。

私からのプレゼント。

それは・・・

ミニスカサンタさんのコズプレ。







「エアリス・・・それ・・・」



「あ、あの、ね!

前に、クラウドが、コレ着て欲しいって

そう言ってた、からね!

・・・あの、用意、して・・・着た、の」



「・・・・・・」



「ぅ・・・似合わな、い?」



「・・・悪い」



「え・・・ぇえっ!?」







ポツリと謝られたと思ったら

急に間近にまで迫ってきたクラウドに

お姫様抱っこされてしまった。

突然のことに驚き過ぎて

すぐに反応できなかった。

そんな私を余所にクラウドは

何故か2階へと向かっている。







「え・・・えっ!クラウド?

どこに行くの!?」



「寝室」



「なんでっ・・・

そ、それより、ご飯・・・」



「先にエアリスがいい」



「え・・・」







寝室の前まで来るとクラウドは

妖しい熱の籠った瞳で私を見つめてく。







「こんな格好をしたエアリスを前にして

落ちついて食事なんかできるはずがない」



「なんで・・・」



「・・・いい加減

自分の魅力に気付くべきだ」







そんなことを言いながらも

私を寝室へと運びこんだクラウドに

いつものごとく

美味しくいただかれてしまいました・・・。





せっかくのクリスマスだったけど

彼からのプレゼントを身につけて

彼からの激しい愛をもらって

多分・・・

ううん、絶対、幸せな夜になった。











〜end〜


 

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