final fantasy

□伝えたいキモチ
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「あっ、クラウド・・・どうかしたの?」



「今、時間空いてるか?」



「うん、大丈夫、だけど・・・えっ!?」







不思議そうな表情をしたエアリスをよそに

彼女の手を握り宿の外へと連れ出した。

他の仲間に見つからないように

周りに気をつけながら。



彼女を連れてきたのは

町外れの小さな空き地。

周りには建物や木々がなく

囲っている柵の向こう側には

見渡す限りの草原が広がっていた。

そして、見上げた先には

眩い程の星空があった。







「わあ〜!きれい!

ね、クラウド!コレを見せるために?」



「・・・コレもそうだけど

見せたかったのは・・・」







喜ぶ彼女を促して

俺が見せたものは・・・。

空き地の片隅に咲いている花々。

その小さく黄色い花は

エアリスが教会で育てていた花と同じもの。

俺はあの教会以外で見たことがなく

この花を見つけた時

どうしても彼女に見せたかった。



そう、この時間に・・・。







「・・・調度、か」



「えっ?」



「・・・誕生日、おめでとう」



「えっ・・・?」



「0時になったから、誕生日、だろ?」



「うん・・・でも、どうして?」



「あんたが言ったんだろう?

俺の誕生日の時に・・・

絶対に祝ってくれ

一番に祝って欲しいって」



「覚えててくれたんだ」







何だか照れくさくなって顔を背けると

彼女の嬉しそうな声が聞こえた。

見てみると案の定

花のように綻んだ笑顔の彼女がいた。







「クラウド」



「・・・なんだ?」



「ありがとう」



「・・・ああ」











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