etc

□拍手(1月)
1ページ/1ページ







「・・・・・・・・・」



「珠洲」



「あ、克彦さん!」



「・・・走らなくていい」



「あっ・・・ごめんなさい」



「はぁ・・・何も慌てる必要ないだろう?」



「はい・・・でも、克彦さんを見つけたら

嬉しくて、思わず走っちゃいました」



「・・・・・・はぁ」



「?克彦さん?」



「いや・・・・・・いつになっても

その天然さは変わらないと

実感していたところだ」



「え?」



「気にするな・・・お前らしいと

そういうことだ」



「?・・・はい」



「それより、何を熱心に祈っていたんだ?」



「えっ!見てたんですか!?」



「ああ・・・お前が境内を掃除して

途中ぼんやり空を見上げたり

段差でこけそうになっているところからな」



「っ・・・見てたなら・・・

声、かけて下さい!」



「それではつまらんだろう?

何より仕事を途中で放棄するのは

あまりにも無責任だからな。

終わるまで待っててやったんだ。

ここは礼の一つは言ってくれても

良いんじゃないか?」



「あ、そうですね・・・

ありがとうございます」



「・・・くくっ・・・

本当に、素直に何でも聞くお前は

・・・笑える程に可愛いな」



「!?・・・そ、それは

喜んでも良いんですか?」



「当然だ。それより・・・

さっきの質問の答えは?」



「え?」



「何を真剣に祈ってたんだ?」



「あ・・・え、っと・・・」



「・・・・・・」



「・・・あ、のぉ・・・ぅ・・・」



「何だ?そんなに躊躇うような

疚しいことなのか?」



「ち、違います!!

ただ・・・・・・恥ずかし、くて」



「いいから、言ってみろ」



「ぅう・・・・・・

こ、今年も、克彦さんと

幸せに過ごせますように、って」



「・・・・・・」



「・・・す、すみません・・・」



「何故謝るんだ?」



「だって・・・呆れちゃいましたよね?」



「いや、呆れた・・・というか

言う相手が違うだろ」



「え?」



「そういうことは、神ではなくて

俺に言うべきだろ?」



「!?」



「そんなこと、第三者は関係ない

俺とお前でそうなるように

成し得て行くことだ」



「克彦さん・・・」



「それに・・・

そんな風に望まなくても

必ず俺がお前を幸せにしてやる」



「!!」



「お前が心配する必要はない」



「・・・・・・は、い」



「くくっ・・・どうした?

顔がえらく真っ赤になっているぞ?」



「わ、分かってて・・・聞かないで下さい」



「さあな」



「っ・・・・・・でも・・・

嬉しいです。

私も、克彦さんを幸せにしますから」



「・・・もうなっているがな」



「え?」



「ふっ・・・いや、楽しみだと言ったんだ」



「はい!頑張ります!!」








〜END〜


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ