Liberamente

□5/sideA
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中佐から桃という名前を貰った

『桃・・・』
いざ声に出してみると恥ずかしくてむず痒いような・・・なにか懐かしいような感覚がした

「気にいったかね」
『はい!』
勢いよく首を立てに振ると「君は小動物の様だな」と頭をポンと叩かれる

「過去のことは無理に思い出さなくてもいいだろう、どうせいつかは忘れてしまうものだ。大事なのは今と言う時、違うかね」

そう言い切った中佐の顔が清清しく見えた


「さあ、これから忙しくなるぞー」と
中佐が一言言って部屋から出て行く


中佐が出ていって、入れ替わりリザさんが勢いよく入ってくる
また銃をつきつけられると思って身構えると
「桃!よかったわね!」
という言葉とともに、体がぎゅうと抱きしめられた
『リザ・・・さん』
「リザでいいわよ、
ようやく貴女のことを名前で呼べる日がきたわ桃!」

『ありがとう、ございます』
目に涙がすぐ溜まっては白い布団にしみをつくっていく
そんなに泣くこともないじゃないって
子供みたいに泣く私にそっとタオルを差し出してくれた

「それでね桃、早速で申し訳ないのだけど

アメストリス軍の入軍試験を受けてほしいの」


『(入軍・・・!?)
私、知識も体力もないですよ・・・』

「大丈夫!その辺りは心配要らないわ!
 私たちが(スパルタで)教えてあげるから!」
そう明るく言い切ったリザさんの後ろにはハボックさんががけだるそうにこっちをみているだけだった
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