Deutlich
□私だけが知っている
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『おかえり』
ししゃもを咥えている恋次の後ろからぎゅっと抱きつくと
恋次は飛び跳ねた
「ウオオオオオオアアアアアアアアアアアアアーーーーーッッッッ!!!!!」
ぽとっ
(ししゃもさん、ごめんなさい)
『そんなにびっくりすることないじゃない』
「お前なぁ!霊圧消して彼氏の部屋に潜んでるとか怖いことすんなよ!」
『…』
「柚子、なんか怒ってる?」
『怒ってる』
恋次はこれでもかってくらいでっかい溜息をついて私の両肩に手を置いて向かいあう形になる
恋次は目を合わせようとしてくるけど、私は必死に逸らす
「俺、なんか悪いことしたか?」
『してない、檜佐木副隊長が悪い』
(檜佐木先輩?…ってことは、瀞霊廷通信?…)
「じゃあ何で怒ってんの?」
さっきよりも優しく声を掛けてくれる恋次
(何となくうちの姫がゴキゲン斜めな理由が分かってきたぞ)
『写真…私しか背中の刺青は見れないのに』
(そっと柚子が差し出してきた写真は
丁寧にラミネート加工されている。)
ふっと恋次は笑った
『笑うくらいくだらないことかなぁ、』
そういうと、ふわっと身体が浮く
「お前しか見れない俺も、俺しか見れないお前も、まだまだ沢山あると思ってたんだが、、、怒ってるなら、仕方が無い。今から目にちゃんと焼き付くように見せつけてやるよ」
ちゃんと目、開けとけよ
そう私の耳元で囁くと
恋次は優しくキスを浴びせてくる。