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□参加者
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2055年、冬。


日本は膨大な借金と私腹を肥やし続ける政治家、不正受給や犯罪等により経済は右肩下がりの状態だった。


「やあ。」

手を上げて軽く挨拶してきた男。
彼は宮元という。


「瀬山、君が企画した書類通ったらしいよ?」

「あれがか?」

「ああ。どうやら上の人間の中にもまともなのはいるらしい。いや、あの企画を実行しようと考える時点でまともとは言えないか?」


そう言いながら少し笑った宮元。
それはその企画に反対しているという笑みではなかったのは確かだ。


「とりあえず準備とかもあるだろうから、後で会議室に顔を出してほしいって言ってだよ。」

「そうか…宮元すまんな。」

「いや、構わんよ。用事ついでだったし?」


そう言いながら、宮元が取り出したのは茶封筒だった。


「これは…?」

「こないだ瀬山に頼まれた例のデータだよ。」

「ああ…企画で使うやつか。」

「それを渡す予定だったからな。」


だから伝言も頼まれたんだと含めた言葉に素直にありがとうとだけ返し、俺は自分のデスクへと戻った。





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