夢現そして無限たる夢幻(シリアス)

□ОЙ МОРОЗ, МОРОЗ 〜“花嫁(サロメ)”と深雪の底より天を仰ぐ“魔王(エルケーニヒ)”〜
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―――……白と灰。

それが僕の世界を彩る、一切の色彩(いろ)。









―――答えてください。 応えてください。

気高く愛しき、頂に立てるお方……。





















―――音も色も姿を消した、
ただ虚ろに繰り返すだけの景色が、
また僕の世界を塗り潰していく…。









―――なぜ、なぜ貴方は私に、その優しく美しい
微笑みを向けては下さらないのですか?



















―――……どうしてなのだろう?

どうしていつも、うまくいかないのだろう?









―――なぜ貴方は、あの憎き輩に向けた
その狂おしいまでに愛しいお声で……

私を呼んでは下さらないのですか?



















―――僕はただ……

当たり前に皆が持っているものを、
当たり前に求めただけなのに。









―――私はこんなにも強く貴方を想い、
貴方に全てを捧げていますというのに。




















―――もう、遠くから眺めるだけじゃ我慢できない。

叶わない夢だなんて思いたくないんだ。









―――それでも貴方は私を遠ざけ、
執拗に“奴等”を求めるのですね……?



















―――昔が気がつかなかった、
この色彩と温度に満ちた世界のどこにも……

僕の居場所は存在しないだなんて。









―――誰より貴方を想っている私ではなく、
貴方の抱える痛みなど欠片も知らない“奴等”を。

























“―――そんな事は…絶対に●さない。”



















●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない
●さない●さない●さない●さない●さない










………………………。















+++















―――くすくすくす……。






絶え間なく擦れ違い錯綜する二つの思い。

決して叶うことのない、思念の奥底で
無惨にも凍りついた二つの“夢”。





彼等の想いはどんな色で輝くのだろう?

どんな音を奏で、どんな記憶を
息も絶え絶えに紡ぎだすのだろう?















―――楽しみだなぁ、楽しみだなぁ。






甘くも苦い“光”と“愛”の物語。
氷雪に軋む春の底、凍てつく芝土の足元で。

……声にもならない彼らの願いが、動き出す。
















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